相模原市消防局南消防署で初の女性署長に就任した 野口 深雪さん 中央区在住 55歳
溢れる情熱で突き進む
○…「うわ、遂にきた」。署長の内示を受け、気が引き締まった。「いつかは署長をやってみたいと思っていたけど、今年だとは思っていなかった」と明るく笑う。市内の消防局で初めて女性採用された一人であり、女性の消防職を改めて発信していきたい思いもある。南区で勤務するのは初めて。現在区内の分署を回る中で、街を知る真っ最中。「賑わいのある駅前から大凧の伝統文化までメリハリのある素敵な街だからこそ、火災予防をしっかりしたい」と意気込む。
○…市内で生まれ育つ。就職を考える時期に市の広報で女性初の消防局の募集を知り、「カッコいいし、地元に恩返しができる」と消防隊員になることを決意。消防局に入局したが、熱望していた消防隊ではなく、別の部署へ配属。やりがいはあったが、「女性だからという理由で消防隊員になれないのは悔しい」と大型自動車運転免許や毒物劇物取扱責任者の資格を取ったり、ウエイトリフティングの大会に出場したりし、14年目で念願の消防隊員に。初めての現場で火災の恐ろしさを改めて実感。「命を守るために早く消火をしたい。チームワークがどれだけ大事かを知った」。
○…趣味は読書でノンフィクション作品を中心に年間100冊以上読んでいる。読書好きが高じ、通信の大学で司書資格取得を目指す。「レポート提出が久しぶりで新鮮」と目を輝かせる。消防隊員時代に塀に挟まり救助した猫を飼っている。縁側で鳥の声を聴きながら本を読み、猫を膝に乗せているのが最高の休日だ。
○…まだ具体的な企画ではないが、「区内の署員たちの経験やアイデアを集めて消防の仕事を発信してきたい」と熱く語る。街の安心安全のために突き進む。
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