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さがみはら南区 文化

公開日:2025.05.01

4、5日は相模の大凧まつり
「いい風吹いて」作り手願う

  • フランスの写真家、クロエ・ル・ドレゼンさん撮影(2024年)

  • 相模の大凧文化保存会の八木会長

  • 凧作り暦約50年の川崎さん

  • 商品を手にする黒澤さん

  • 鉄道コラボデザインの缶バッジ

 相模原市の五大観光行事の一つ、「相模の大凧まつり」(同実行委員会主催)が5月4日(日)と5日(祝)、相模川新磯地区の河川敷4会場で開催される。今年の題字はメジャーリーガー大谷翔平選手の活躍にちなんだ「喜翔」。区制15周年を祝う3間凧も各会場で揚げられる。

 相模の大凧は天保年間(1830年頃)から約190年続く相模原市の伝統行事。新戸・上磯部・下磯部・勝坂の4地域の各保存会が大凧を作り、相模川河川敷で揚げている。

 凧の大きさは、新戸が最大の8間(1間=約1・8m)四方、上磯部、下磯部は6間四方、勝坂は5・5間四方。特に新戸の8間凧は毎年揚がる凧としては「日本一」の大きさを誇る。

 4地域の保存会で作る相模の大凧文化保存会の八木亨会長は「強からず、弱からず、いい風に恵まれれば。いい風が吹くと凧が揚がりたがっている気を感じる。そういうところが凧の可愛いところ」と、魅力を語る。

 昨年の来場者数は2日間で延べ17万8000人。大凧を撮影しようとフランスから写真家が訪れるなど、そのスケールの大きさから訪日観光客の関心も高まり始めている。

区制15周年祝う

 凧の題字は市民の公募から選ばれ、相模原市長(本村賢太郎市長)が揮毫することが習わし。

 今年は「喜翔」。「大リーグ、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手の活躍を世界中が喜び、さらなる活躍を願い大空に翔けてもらいたい」という思いが込められている。

 また、大凧の前に各会場で揚がる3間凧の題字は、南区制15周年を祝い「南翔」と書いた。題字は南区の加藤宏美区長が揮毫している。八木会長は「みんなで南区の誕生をお祝いできれば。いつもとは違うオリジナル凧。ぜひ見に来てもらいたい」と呼び掛ける。

 午前10時から午後4時まで。会場は新戸と勝坂が新戸スポーツ広場(JR相武台下駅徒歩15分)、下磯部が磯部頭首工下流(JR相武台下駅・小田急相武台前駅からバス新磯まちづくりセンター前徒歩10分)、上磯部が三段の滝下広場(JR下溝駅徒歩5分)。問合せは相模原市コールセンター【電話】042・770・7777。

「何も足さず、何も引かず」

 実は相模の大凧が毎年作り直されていることは意外と知られていない。

 凧作りに携わり約50年の川崎喜代治さん(79)は「子どもを祝う縁起物だから年を越すことはないんだよ」と説明する。川崎さんは8間凧(14・5m四方)を揚げる新戸大凧保存会に在籍するレジェンドの一人だ。

 大凧の材料は「麻、竹、和紙」と江戸時代から一貫して変わらないという。「麻の引き綱を使うのは摩擦熱が弱く火傷をしないから、手漉き和紙は紙から抜ける微妙な風が凧揚げに重要だからと、全てに意味がある。みんな先輩から受け継いできた」と語る。だからこそ凧作りは「何も足さず、何も引かず」。それを徹底する。

 同会の凧作りは夏、引き綱や糸目糸などの虫干しから始まる。竹の切り出し、和紙の貼り付け、糸目付けなど新人もベテランも関係なく同じ作業をする。「やっている人は祭りを人に見せようと思っていないの。コツコツ準備してきた凧が揚がれば感動もひとしお。それだけなんだよね」と語った。

サブレー復活

 中央区横山で60年近く営む菓子工房くろさわが昨年、「大凧サブレー」を復活させた。約3年前に同商品を製造していた菓子店が閉業。市観光協会や相模の大凧文化保存会はサブレー復活を模索していた。

 市観光協会が運営するsagamix(相模大野)に商品を納品していた縁で観光協会が同店にサブレー商品化を依頼。同店の黒澤伸吾さんは「まさか自分が復活させるとは思わなかった」と振り返る。

 「相模」の型は前の製造店舗から譲り受け、レシピは同店オリジナル。バターの量を増やしてボリュームを出した。包装紙も黒澤さんが一から作った。

 まつりの時期は菓子業も繁忙期。黒澤さんは「大凧まつりを見たことがない」と苦笑い。それでも「地域で長年やってきた菓子屋として、市の祭りに携われるのは嬉しい」と話した。

 大凧サブレーは同店や相模の大凧センターなどで販売している。

スタンプラリー

 スタンプを集めると「相模の大凧まつり」限定缶バッジ(先着順)が進呈されるスタンプラリーが5月4日と5日に各会場で開催される。

 参加方法はまちのコイン「すもー」アプリの事前インストールが必要。「大凧題字デザイン」は4会場と新戸会場にある「南区誕生15周年記念ブース」の二次元コードを読み込み。「鉄道コラボデザイン」は、5カ所に加えさらに下溝駅または相武台下駅の二次元コードの読み込みが必要。どちらも読み込み後、相模の大凧センターで進呈される。問合せは同所【電話】046・255・1311。

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