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さがみはら南区 人物風土記

公開日:2026.11.05

「勝坂遺跡縄文まつり」の実行委員長を務める 田中 正史さん 緑区在住 70歳

  • 田中 正史さん (写真1)

文化への愛着育む伝道師

 ○…文化財調査・普及員として市内の文化財の保護や活用に数多く携わる。南区磯部にある勝坂遺跡の発掘100周年に合わせ、小学生が遺跡や土器をテーマにクッキーのパッケージをデザインし、縄文まつりで販売する企画を立ち上げた。「『身近にある文化財って大事な宝物なんだよ』と子どもたちに知ってほしい」。そう語る表情には、いたずらっぽい笑みが浮かぶ。

 ○…群馬県で生まれ育ち、幼い頃から歴史や考古学、生物学など幅広い分野に関心を寄せてきた。大学院では細胞膜の研究に没頭し、研究室にこもる日々。当時の寮の仲間とは今でも交流があり、定期的にキャンプなどを楽しむ。「専門は理系だったけど、みんないろいろやるからさ」。好奇心が輪を広げ、畑や狩猟、楽器制作など趣味は多岐にわたる。

 ○…考古学への関心の原点は、幼少期の実体験にある。小学生時代に訪れた、国分寺と国分尼寺の間の地の発掘調査。庶民の住居跡が竪穴住居だったことに衝撃を受けた。「あんな立派なもんを作れるのに、庶民は竪穴なんだ」。知識として知るだけでは分からない、現地に足を運んだからこその発見。目で見て体験することで文化をより深く楽しめるという実感が、今の活動にもつながっている。

 ○…「文化財は、放っておいたらダメになる」。勝坂遺跡の敷地内にごみが散乱する様子などを目にし、地域の宝物を守るには、一人ひとりが愛着を持つことが欠かせないと感じた。だからこそ、子どもたちに文化財を知り、親しんでもらう機会をつくる。「そういう人間がいなくなったら終わり。まだまだやりたいことがある」。地域の宝物を次の世代へつなぐため、歩みを止めるつもりはない。

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