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さがみはら緑区 人物風土記

公開日:2013.12.19

相模原市菊花競技会の盆養部門で神奈川県知事賞を受賞した
遠藤 吉和さん
大島在住 69歳

「難しいほうが面白い」



 ○…菊の花に魅せられ、35年。花をいかに大きく、美しく咲かせられるかを競う菊花競技の大会でこれまで数々の賞を総なめにしてきた。先の「第59回相模原市菊花競技会」でも、3本の花を一つの鉢に咲かせる盆養の部で同競技会最高位の神奈川県知事賞を受賞。全日本の大会でも3回の優勝経験があり、相模原の菊花競技界を牽引する凄腕の持ち主だ。



 ○…秋田県出身。高校卒業後、集団就職で上京。35歳の時、マイホーム購入と同時に相模原に引っ越してきた。菊との出合いは、市役所のロビーで開催されていた菊花展示会を偶然見かけたのがきっかけ。「やる気さえあれば誰でもできる」と聞き、翌年、奥さんと一緒に講習会に参加した。2年後、軽い気持ちで出展した全国大会でいきなり外務大臣賞を受賞。もっと上位の賞をとりたいとのめり込んでいった。「努力すればチャンスが巡ってくるのが菊の世界」。やるからには一番になりたいと、さし木のタイミングや肥料の配合、こまめな水やりなど考えに考え、試行錯誤を重ねた。出展する花を決める際には、奥さんに助言してもらう。「結局、素人目から見てきれいなのが一番きれいなのかな」



 ○…魚釣りが趣味で、ヘラブナ釣りが専門。餌のまき方や浮きの調整等こちらから仕掛けなければ、決して引っかからない所が面白い。釣り堀で釣るのは好きではない。ずばり、簡単だから。「誰にでもできる釣りじゃ面白くない」。緻密に計算し、難関をクリアしていくことに魅力を感じる。



 ○…「もう、賞はいいかな」。さまざまな大会で勝ち続けてきたベテランの今後の役目は、菊花競技レベルの底上げ。講習会で講師を務めるなど技術の継承にも尽力。自分が一つでも良い作品を出展することで、後進たちが負けじと奮起し、自分を越えていくことを願う。「でも、いざ抜かれたら悔しいかも」。情熱が枯れることはない。

 

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