さがみはら緑区版 掲載号:2016年2月25日号 エリアトップへ

約40年ぶりにスウェーデンから帰国し、牧野に工房を構えてパイプオルガンを製作する 横田 宗隆さん 東京都在住 63歳

掲載号:2016年2月25日号

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オルガンに地域の温もりを

 ○…約40年前に渡米し、パイプオルガン製作の第一人者として世界を舞台に活躍。帰国を決め、工房を構えるに相応しい場所として藤野地区を選んだ。「たくさんの自然に囲まれ、住んでいる芸術家・工芸家の方々と関わり合いながら製作できる環境に惹かれました」。地域住民の協力もあり、「藤野芸術の家」の近くに工房を建て、本格的に製作活動を開始した。

 ○…大学を卒業後、3年間の修業を経て米国で独立。注文を受けた地域に移り住み、地元の職人や芸術家とともに、地元の材料を使って製作するという伝統的な製法にこだわって、カリフォルニア州立大学で18世紀中期ドイツ様式の大オルガンを設計・製作。この功績により、スウェーデン国立イエーテボリ大学の客員教授に招かれ、17世紀北ドイツ様式のオルガンなど多くのプロジェクトを手掛けた。「機械製造とは違い、織り成す音に、その地域の特性や温もりが現れる。まるで人が話す言葉のように聞こえてきます」

 ○…子どものころからおもちゃは何でも手作り。飛行機や鉄道列車なども自ら作った。中学生になるとバッハの音楽に心酔し、初めて買ったレコードもバッハ。そのジャケットに演奏に使用されたオルガンの説明が書かれており、「演奏家や作曲家だけでなく、いい楽器をつくる建造家の尊さに気付いた」。祖父・父ともに銀行員の家系に生まれ、大学では経済学を学んでいたが、「好きなことを極めることが社会貢献につながる」と考え、パイプオルガン製作への道に進んだ。

 ○…帰国を決めた理由には弟子たちの存在も大きかった。「優秀な弟子たちと日本でオルガンを作り、文化の普及と後継者育成に努めるのもいいなと思いました」。先ごろ、藤野地区で初のワークショップも開催した他、各地での講演や講義の場にも立っている。地域や住民たちとともに、温もりに溢れたオルガン、そして文化を作り上げていく。

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