相模原市商店連合会の会長に就任した 江成 二郎さん 中央区中央在住 63歳
難局打開へ突き進む
○…法人格だった相模原市商店連合会が解散し、事業を引き継ぐ形で6月に任意団体として発足した同連合会の初代会長を任された。厳しいコロナ禍での重責に「一人では何もできないが、組合員一丸となって商店街や連合会の発展に努めたい」と意欲を燃やす。
○…創業73年目を迎えた金物屋の4代目。幼いころから身近にあった金具を「おもちゃ代わりに遊んでいた」。地元の小中学校を卒業後、帝京大学附属高校を経て同大学法学部へ。大学で法律を学ぶうちに検事への夢を描くが「友達と遊んでばかりいたからね。早々に諦めたよ」と苦笑い。家業を継ぐのが「当たり前」だった時代、違う道を模索していた。それでも、卒業時には家業へ進む意志が固まり東京の大店(おおだな)に3年間の修業へ。「辛くて、実家に帰ることを常に考えていた」。膨大な名称を覚えるだけでも一苦労。構造や仕組み、使い方が身につくまでには時間を費やした。「毎日、要領が悪いと上司に怒鳴られて」。そんな時、支えになったのは今も連絡を取り合う寮友たち。仲間と共に汗を流し修業を乗り越えた。
○…相模原駅前から中央へ店舗を移転したのを機に兄から会社を引き継いだ。中央商店街に所属し役員を務めながら、相模原金物雑貨商協同組合の立ち上げに尽力。「設立できた時はすごくうれしかったし、達成感もあった」。約10年間務めた会長職を今年勇退。その経験を生かし今度は市内の商店街を牽引する。
○…コロナの影響で趣味の海釣りと山登りも自粛。恒例のサンマまつりも中止が決まった。現在は、街を活気づけるための代替案をメンバーと議論中だ。「地元商店街で安全安心な買い物ができるよう、仲間とこの難局を乗り超えたい」。前を向き、力を込めた。