神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

佐野川茶 県品評会に4点入賞 後継者不足も「追い風を味方に」

経済

公開:2025年2月4日

  • X
  • LINE
  • hatena
茶畑で作業する大河原さん(左)と宮本さん
茶畑で作業する大河原さん(左)と宮本さん

 茶生産意欲の高揚と活力ある茶業経営を目指し開かれている「第57回神奈川県茶業振興大会」が1月28日、清川村生涯学習センターで行われ、今年度の県茶品評会および茶園共進会の上位入賞者が表彰された。

 相模原市内からは荒茶の形状や色沢を評価する品評会で藤野茶業部と宮本透さん(67・日連)が二等に、茶園の管理などを審査する共進会でも宮本さんが二等に選ばれるなど、好成績を収めた。茶業部部長も務める宮本さんは「今年度の佐野川茶は一番良い出来だった。入賞してうれしい」と笑顔を見せた。

 佐野川地区の急斜面に広がる茶園で栽培される「佐野川茶」。この辺では古くから畦畔や至る所で茶木が自生していた。まだ藤野が町だった1966年、国の山村振興事業を誘致。翌年に事業が開始され、同地区の茶樹栽培が本格始動する。

 当時を知る藤野茶業部の大河原頼忠さん(83・佐野川)は「茶農家が約150軒ぐらいあって、面積も多い時は36ヘクタールくらいあったかな」と語る。しかし、急傾斜地での厳しい作業や生産者の高齢化、後継者不足に加え、2011年の東日本大震災、14年の積雪被害、15年の佐野川荒茶工場閉鎖などにより茶農家が激減。現在は3軒だけとなった。

相模原ブランドとして

 そんな中、メンバーは「茶畑の景観を守り後世に残そう」と一念発起。県内で生産された荒茶は通常、県農協茶業センターに一元集荷され「足柄茶」として販売されるが、収穫した一部を独自に製品加工するブランド化に取り組んだ。18年10月、「佐野川茶」が誕生。「香りが良くて甘味が高いのが特長」と、宮本さんは太鼓判を押す。

 製品化から6年が経ち、少しずつ認知されてきた「佐野川茶」。今年度は市老人クラブ連合会のお祝い品として88歳以上の会員に進呈されることも決まっている。宮本さんは「後継者不足など問題はたくさんある。伝統を守り若い人に伝えることが私の使命。この追い風を味方に、佐野川茶と里山を守るため諦めず進んでいく」と話した。

 品評会、共進会の市内入賞者は次のとおり(敬称略)。【品評会】▽二等・県農業会議会長賞/藤野茶業部▽二等・神奈川つくい農業協同組合代表理事組合長賞/宮本透▽三等/大河原頼忠、佐野川茶【共進会】▽二等・全国農業協同組合連合会神奈川県本部運営委員会会長賞/宮本透▽三等/落合孝二

賞状を手に笑顔の藤野茶業部の(左から)宮本さん、大河原さん、中村茂則さん
賞状を手に笑顔の藤野茶業部の(左から)宮本さん、大河原さん、中村茂則さん

さがみはら緑区版のローカルニュース最新6

相模原市で誰でも演奏に参加できるコンサート

鑑賞無料

相模原市で誰でも演奏に参加できるコンサート

5月5日、相模女子大学グリーンホール

4月19日

相模原市で依存症を考える「アディクションカンファレンス」開催

参加費無料

相模原市で依存症を考える「アディクションカンファレンス」開催

5月11日、杜のホールはしもと

4月18日

具体的な目標が結果に

R(ロータリー)クラブ

具体的な目標が結果に

記念講演で尾花氏が熱弁

4月18日

平和つなぐ地域メーデー

平和つなぐ地域メーデー

26日 橋本公園で

4月17日

サウンドアート作品が入賞

相模原市出身倉持さん

サウンドアート作品が入賞

やまなしメディア芸術アワード

4月17日

防災セットを寄贈

シティLC

防災セットを寄贈

創設20周年 蓄電池など

4月17日

あっとほーむデスク

さがみはら緑区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

相模原市で誰でも創作に参加できるアート展

入場無料

相模原市で誰でも創作に参加できるアート展

5月3日から5日、ユニコムプラザで

5月3日~5月5日

さがみはら緑区版のイベント一覧へ

コラム一覧へ

さがみはら緑区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2025年4月19日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

X

Facebook