さがみはら緑区 トップニュース経済
公開日:2025.12.18
佐野川茶
宮本茶園が事業を継承
茶業部解散、自販に注力
藤野の佐野川地区の急斜面に広がる茶園で栽培される「佐野川茶」。かつて150軒ほどあった茶農家は生産者の高齢化や後継者不足などにより激減。産業として栽培を行う農家はついに宮本茶園1軒となった。これによりJA神奈川つくいの部会・藤野茶業部は今年度で解散へ。来年度からは同園が佐野川茶の事業を一手に担うこととなる。
佐野川地区は古くから畦畔や至る所で茶木が自生し、茶栽培に適した地といわれる。1966年に国の山村振興事業を誘致、翌年から本格始動し、1980年代に最盛期を迎えた。しかし、2000年代になると、茶農家の高齢化が進み、急傾斜地での厳しい作業や後継者不足などにより栽培をやめる農家が急増。加えて、11年の東日本大震災、14年の積雪被害、15年の佐野川荒茶工場閉鎖といったマイナス要因が重なった。
そんな中、15年に発足した藤野茶業部のメンバーが一念発起し、収穫した荒茶の一部のブランド化に取り組み、18年に「佐野川茶」を誕生させた。「佐野川茶」を相模原ブランドへと構築する取り組みは市からも高く評価され、「さがみはらSDGsアワード2025」で優秀賞にも選ばれている。しかし、茶農家減少を止めることはできず、今年の摘採を終え、2軒あった茶農家が宮本農園だけとなった。
同茶園を営む宮本透さんは「来年からは1軒になるが、心は折れていない。佐野川茶の事業を継承し、自販の取り組みに注力する」と意気込む。
茶業組織が消滅
旧津久井郡ではJAが茶業部事務局を担当、茶業の運営や販路を担当していた。城山と藤野に茶業部があったが、今年7月に城山が解散。来年3月で藤野も解散することが決まったため、この地域の茶業部は消滅することとなる。事務局担当者は「今後は他の農家さん同様に、一農家さんとして応援していくこととなる」と話す。
後世へつなぐ
宮本さんは藤沢市出身で15年に新規就農研修を受け、17年に58歳で就農した。茶栽培をするために藤野に移住。茶製品のほか雑穀や大豆、小麦、切花などを生産する。
今後は「伝統ある佐野川茶を守り、残すため、後継者の育成に力を注ぎたい。そのためには若い人たちが働きたいと思える環境を整えることが重要。簡単ではないが、挑戦と失敗を繰り返しながら目標の実現を目指します」と力を込めた。
ピックアップ
意見広告・議会報告
さがみはら緑区 トップニュースの新着記事
コラム
求人特集
- LINE・メール版 タウンニュース読者限定
毎月計30名様に
Amazonギフトカード
プレゼント! -

あなたの街の話題のニュースや
お得な情報などを、LINEやメールで
無料でお届けします。
通知で見逃しも防げて便利です!











