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町田 人物風土記

公開日:2013.10.31

町田市内などで古街道研究家として鎌倉古道・歴史遺産の会で講演、ガイドを行う
宮田 太郎さん
54歳

いつまでも考古学少年



 ○…「町田は古街道の眠る奇跡の町なんです」。町田北部エリアには歴史環境が手つかずで残っているという。1990年に野津田公園の開発地で鎌倉街道跡を発掘。「鎌倉時代の大動脈として関東の歴史の流れを知るための貴重な遺産。町田はこの道があったために発展したんですよ」と目を輝かす。日本フットパス協会の理事も務め、地域に昔からある風景を楽しみながら歩ける地域の魅力を伝える。小野路・野津田地区のウォーキングは今までに3550回も行っている。



 〇…多摩市出身。少年時代は多摩丘陵に入り、土器や石器を拾う毎日だった。「ごろごろ落ちてたからね。段ボール一杯に何十箱もあって、友だちに配ったよ」。小学4年の時には自ら考古学クラブを作った。多摩から小野路の方まで自転車でよく探検に出かけた。親からは「変わっているけど一つだけでも得意なものがあればいい」と育てられた。もともと喘息もちで20才過ぎても治らなかったが「外に出て、森の良い空気を吸って、ダイナミックな自然を見ていたらいつの間にか治っちゃってた」と笑う。



 ○…この道に進んだのは37歳の頃。「ちょっと早いけど第二の人生が始まったんだ」。大学卒業後、制作会社に勤めながらカルチャーセンターで歴史の講師を務めていたが、激務により二度の大病を経験。「もらった命だから」と二束の草鞋をやめ、「趣味を実益」とした。今では古街道研究家、日本フットパス協会理事のほかに歴史ルポライター、地域力アドバイザー、埋蔵物文化財コンサルタントなどの肩書を持つ。



 ○…「昔の人はおおらかだった」。古道には先人たちのメッセージが残されているという。「そういうことを伝える役目なのかな」。講演では古街道の歴史ロマンを熱く語り、いつも「感動した」参加者からの拍手で終わる。「今後は本を書く時間を作って、もっと文化を広げていきたい」。まだまだ自分のロマンは続く。

 

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