先ごろ、52回目の「ビリヤード日本一」に輝いた 町田 正 さん 子安町在住 58歳
「勝負師」尽きることなし
○…7、8月と種目の異なるビリヤードの全日本選手権を連覇し「日本一」を52まで伸ばした。体力よりも精神力が問われる競技。窮地でも「自分のベストプレーができれば」と開き直る冷静さが第一人者の技術を高めさせる。「プラス思考なんだよね。どんな状況でもポジティブに考える。経験を積んだ分、若い時よりも今の方が強いかな」。最高位は1986年の世界第2位。自身にも負けたくないと思う気持ちも強さの要因となっている。
○…初めてボールを突くためのキューを手にしたのは8歳の時。アマチュア日本一に3度立ったことのある父親が、中町にビリヤード場を開いたのがきっかけだった。開店前に訪れ、ルールが分からないまま、兄弟たちとボールを突いた。自分の番になるとビリヤード台に広がる空間を独り占めできる満足感。すぐそこは遊び場となり、「もっと、うまくなりたい」という思いが芽生えるのに時間はかからなかったという。
○…第一人者として活躍する一方で、自身をビリヤード会の”広報部長”と自認する。いかにビリヤード愛好者を増やすか。TVや雑誌の取材を積極的に受け、競技に関連する書籍やDVDなどのプロデュースにもあたる。「子どもからお年寄りまで楽しめる競技。生涯スポーツとして最適なんですよ」。”部長”として、プレー中には見せないお茶目な一面を披露し、ビリヤード界の「新規客」獲得に貢献している。
○…もうすぐ還暦。だが、競技への情熱は尽きることがないという。ビリヤードを「長年連れ添った夫婦のようなもの」と例える。若い時は熱く、いまは同志のようなものと。目指すは、世界一の座。「競技の普及発展のためにも、私が勝ち目立たなければね」。ファンを楽しませるため、ボールを曲芸のように操るアクロバティックなプレーも得意とする勝負師。その道にまだまだ終わりは見えないようだ。
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