神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
八王子版 公開:2021年1月21日 エリアトップへ

【Web限定記事】八王子市郷土資料館 「牛」が疫病の守り神

文化

公開:2021年1月21日

  • X
  • LINE
  • hatena
天然痘の悪鬼を踏みつけ子どもを助ける絵が描かれている
天然痘の悪鬼を踏みつけ子どもを助ける絵が描かれている

 牛が天然痘(痘瘡)の悪鬼を踏みつけ子どもを助ける「保赤牛痘菩薩」の口絵が描かれた書物―。江戸時代、天然痘が大流行したときに、小児医師・桑田立斎氏が牛痘苗(ワクチン)の接種を広めるために書いたものだ。書物は市内の個人が所蔵していたもので、現在、八王子市郷土資料館(八王子市上野町33)の企画展「八王子の天災と疫病」で展示されている。

 天然痘はウイルスによる子どもの罹患率と死亡率が高い伝染病のひとつ。牛痘(牛の天然痘)を接種し、体内に抗体をつくる手法は人類初と言われている。「口絵は当時、牛痘を打つと『牛になる』というデマも広がり、正しいワクチンの情報を広めるために桑田立斎氏が書いたものです」と話すのは企画した同館の学芸員、加藤典子さん。「子どもたちを守りたい気持ちが伝わりますね」とも。

 日本で初めて接種されたのは、1849(嘉永2)年、八王子での接種はその翌年だった。加藤さんは「比較的早く実現できたのは、接種を広めた伊東玄朴らの弟子と八王子の医師につながりがあったこと、八王子を治めていた代官が西洋医学に関心が高かったことも影響しています」と解説する。

 企画展には、疫病のほかに、江戸時代以降発生した八王子の洪水害など、気象災害をテーマとした資料も展示している。加藤さんは「飢饉が起こると疫病が流行り、疫病と気候は連動しています。天災と疫病の歴史から現代の防災や減災を考える機会になれば」と話す。

 「八王子の天災と疫病」企画展、前期「気象災害と疫病」は2月14日(日)まで、後期「地震と大火」は2月17日(水)から3月31日(水)まで。 

 

 

 

八王子版のローカルニュース最新6

色は紫 香り漂う

色は紫 香り漂う

片倉城跡公園のフジ

4月25日

ビジネスネームを導入

京王バスグループ

ビジネスネームを導入

4月25日

SAKEフェス、初開催

SAKEフェス、初開催

5月11日 日本酒に特化

4月25日

子どもの幸せに役立てて

子どもの幸せに役立てて

青梅信用金庫が市に寄付

4月25日

100圓タンメン発売

100圓タンメン発売

天神町の「長浜家」が協力

4月25日

「卵子凍結」助成を継続

東京都

「卵子凍結」助成を継続

昨秋、開始 28年度までに

4月25日

あっとほーむデスク

  • 4月18日0:00更新

  • 12月14日0:00更新

  • 11月23日0:00更新

八王子版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月25日号

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook