地域文化功労者表彰を受けたバレエ団(株)B.シャンブルウエストの総監督を務める 今村 博明さん 上野町在住 70歳
今年は最高の舞台になる
○…「バレエというのは、少し休んだだけでも体が思うように動かなくなってしまう」。昨年からのコロナ禍で団は一時活動停止を余儀なくされた。創立以来毎年開催してきた屋外公演も昨年は開催が危ぶまれたが、リハーサルはグループを細かく分けて行うなど、細心の注意を払って無事に開催。結果的にコロナ対応の成功例として各方面から注目を集めた。観客からも「久しぶりに全幕のバレエが見れた」という嬉しい声が届いた。
○…福岡県出身。バレエを知ったのは5歳のとき。教室に通う幼稚園の先生が教えてくれた。ガラスに自分の姿が写ったり音楽が流れると自然と踊りだす。そんな幼少期だった。地方では公演を見る機会もあまりなく、合宿で東京に来るまでバレエの専門用語も知らなかった。その後、イギリス留学を経験し、本物に触れ、それが自身の成長につながったことから「本物を伝えていく」ことに使命を感じている。
○…「いつの間にやら30年ですね」。思えば恩師にも恵まれ、家族の協力もあった。留学中で死に目に会えなかった父親。その父が立ち上げたパン屋は弟が引き継ぎ、今も営業を続けているという。繋ぐ人がいるから続く。「白鳥の湖なんて150年も昔からある。その時代の人が愛情をこめて守って、次の世代に繋げてきたから」。自身もその担い手としてバレエを伝えていく。
○…「本物を伝えていくにはコツコツと時間がかかる。芸術として完成しない」。市内でも年に4回の公演を行うが、1つの公演のための準備に3〜4カ月かかる。年末恒例の同じ作品でも「演出や表現など色々なものを見直し、毎回深みを増していく」。だから断言できる。「今年は今までで最高の舞台になりますよ」
|
|
|
|
|
|