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八王子 人物風土記

公開日:2021.10.07

書真会師範で一文字チャリティ活動を行っている
藤本 あや子さん
山梨県都留市在住 

書が養う心と品格

 ○…「一文字」を揮毫するチャリティー活動を昨年から始めた。東日本大震災の発災後、ボランティアに行った夫から、惨状を聞き「何か力になれたら」と思っていたという。和紙は、指導する障碍者施設の利用者から購入した「味わいのある手すき和紙」を使う。慣用句などではなく一文字にこだわりも。「誰かの言葉ではなくあなたの幸せな一字を」。文字に力がこめられるという。

 ○…山梨県出身。4人きょうだいの長女。書道の師範を務める父親に手解きを受けた。笑い上戸な明るい性格で女性警察官に憧れていた。結婚後は長男である夫の両親、祖母、兄弟など家族の一員になった。「お嫁に行って忍耐を学んだ」と笑って振り返る。介護で大変な時期もあったが、家族に尽くしたことは自分の誇り。背中を見せた子どもは、医師や通訳の仕事に就き自立している。「親を大切にしていると子どもは自ら頑張るものね」とほほえむ。

 ○…書道は「心の拠り所」だという。「嫌なことも書と向き合うときはすべて忘れられる」。本格的に打ち込み40年以上たつ。父親が亡くなった後は、車で30分かけて富士吉田の師範のもとに通いつめた。自宅で教室を開き、明神町のサークルやクリエイトホールでの講座指導など、八王子にも積極的に出向いている。「八王子は人柄が大らか。書道人口が少ないので広めていきたい」

 ○…「書道は品格を高める」が持論。だからこそ、若い人にもっと親しんでもらいたいと感じている。「じっくり取り組めば必ずモノになる」とも。また、自身より高齢の生徒が上達を喜ぶ様子を見ると書の魅力が伝わっていると嬉しさも沸く。「書道をやって本当に良かった」と、自身と同じように思う人を増やしていきたいという。

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