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八王子 文化

公開日:2023.06.15

「山車」 店内に鎮座
戸吹鮨忠 祭り好き集う場に

  • 戸吹鮨忠の山車と中村高士さん

 戸吹町にある「戸吹鮨忠(とぶきすしちゅう)」店内に先月から高さ約4メートルの山車が展示され、地域の話題をさらっている。

 同店2代目の中村高士さん(49)によれば、この山車は埼玉県の西坂戸地区の祭りで使用されていたもの。少子化などで使われなくなり、解体される運命だった山車を2年前に譲り受けた。「祭り好きが集い、山車を眺めながら笑顔で語り合えるような空間になれば」と期待を込める。

人の縁に感謝

 以前から「山車が欲しい」と話していた中村さんに、祭り好きの仲間を通じて情報が入ったのが2年前。すぐに現地に足を運び、譲り受けることで話がまとまったが、問題はその高さ。そのままでは高架や電線をくぐれないことから、上部を解体して土台部分のみを譲り受けて店まで運んだ。上部は、知人に紹介してもらった宮大工に依頼して屋台型に制作。ここまでで2年の月日が経過していた。

 神棚を祭り、五色幕や提灯で飾った山車を、ちょうど改装を終えた店舗の一角に設置すると、お客さんから大好評。山車を譲ってくれた西坂戸の関係者も訪れ「良い人にもらってもらえた」と山車をさすりながら語りかけていたという。「いろいろな人のご縁でできたものだから」と中村さんは毎日、山車に手を合わせ感謝する。現在、山車に飾る彫刻を市内の彫刻師に依頼しており、到着を楽しみにしている。

地元愛を醸成

 子どもの頃、八王子まつりでお囃子に参加したことをきっかけに「祭り好き」になったという中村さん。3人の子どももお囃子を嗜む、祭り好き一家だ。「戸吹町には山車の出るお祭りが無い。ゆくゆくは地元の子どもたちに山車を引く思い出を作ってあげられたら」と展望を語り、「その子たちが将来まちを出ても、祭りの時だけでも帰ってきてくれるようになれば」とほほ笑む。

 また同店では5月後半から6月半ば頃、店の裏を流れる谷地川のホタルも観賞できる。「天然のものなので日によって飛ぶ数は違いますが、店内やテラス席からご覧いただけます」と中村さん。

 問合せは同店【電話】042・691・0230。

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