八王子 社会
公開日:2023.07.20
朝ドラ『らんまん』
牧野標本の魅力を熱弁
都立大でいとうせいこう氏
南大沢にある東京都立大学内の牧野標本館で7月14日、翌日から始まる企画展「『日本の植物分類学の父』牧野富太郎が遺したもの」のプレイベントが開かれた。ゲストに作家・クリエーターのいとうせいこうさんを招き、同大の加藤英寿助教との対談を通じて植物標本の魅力や企画展の見どころなどを紹介した。
同館は植物学者の牧野富太郎博士が製作した植物標本を中心に保管・研究に活用している施設。博士はNHK連続テレビ小説『らんまん』で神木隆之介さんが演じる主人公のモデルで、同館は資料提供で『らんまん』の撮影にも協力している。
植物への造詣が深く、芸能界きっての「牧野マニア」を自称するいとうさんは、『らんまん』にも出演中。対談では「牧野博士は生涯、植物の調査に没頭し続けたことで数々の功績を成し遂げた愛すべきオタク。バナナやメロンなど、家に飾りたくなるようなユニークな標本も遺している。標本には製作者の個性が表れるので、朝ドラを見て牧野博士に興味を持った人は、ぜひ実物を見にきて」と呼びかけた。
期間中 展示替えも
企画展では牧野標本をはじめ、南方熊楠などの著名な人物が製作して博士に送った標本もある。最近の発見物として、博士が出題と審査を担当し、少年誌が懸賞を付けて全国の子どもたちから募った植物標本の実物も展示している。加藤助教は「展示物は初公開のものがほとんど。標本は学術資料なので、劣化を防ぐために数週間で展示替えをする。期間中に何度も足を運んで楽しんでもらえれば」と話した。
また同大では企画展に合わせて、資料の保存やデータベース化などに役立てる基金を設立。限定グッズや館内ツアーなどの特典を用意して、広く支援を呼びかける。
企画展は9月30日(土)まで。入場無料。詳細は同館ウェブサイトで。
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