八王子 社会
公開日:2024.02.01
天ぷら油が航空燃料に
回収・資源化の実証実験
使い終わった天ぷら油などの家庭から出た廃食油を回収し、航空機用燃料などにリサイクルする実証実験が八王子市内で始まった。1月22日にスーパーアルプス楢原店とみなみ野店に回収ボックスが設置され、2月1日からは市役所のごみ減量対策課、南大沢清掃事業所、北野町のエコひろば(八王子市環境学習室)でも回収を始める。
持ち込み方法は、冷ました油からできるだけ不純物を取り除いてペットボトルに移し替え、ふたをして回収ボックスに入れる。集めた油はSAF(持続可能な航空機用燃料)やバイオディーゼル燃料、バイオプラスチック原料などになる。
国が2030年までに航空燃料の10%をSAFにすることを掲げるなど脱炭素社会への移行が進むなかで、国内で年間約10万トン発生している廃食油が注目されている。一方で家庭から排出されている廃食油のほとんどが廃棄されており、八王子市内でもこれまでは可燃ごみとして処理するほかなかった。
全国モデルに
実証実験は都の補助事業を活用して、レコテック(株)(本社=千代田区)が実施。CO2の削減にもつながることから八王子市もこれを支援し、市内小売業大手のスーパーアルプスにも協力を要請した。
レコテックの担当者は「ごみ排出量が少なく、環境意識の高い八王子市が全国のモデルケースになれば」と実証実験の実施自治体に選んだ理由を語り、「未利用資源である天ぷら油のリサイクルが、もっと当たり前に広まることを願う。一緒にサステナブルでゼロカーボンな八王子市を作りましょう」と市民に協力を呼びかけている。
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