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八王子 人物風土記

公開日:2024.07.04

5月にNPO法人八王子国際協会の理事長に就任した
鈴井 宣行さん
初沢町在住 74歳

国際相互理解は信頼から

 ○…長年務めた大学教授を退職した3年前、「何か八王子のお手伝いができないか」と八王子国際協会の一員に。今年5月、理事長に就任した。会員約260人のまとめ役を担う。市内で暮らす約1万5000人の外国人への生活支援や市民との交流事業など、多文化共生社会を目指し日々活動している。「歴代の理事長が残した大きな足跡を踏み固め、協会発展に尽力したい」

 ○…岡山県出身。京都の大学に進学し、フランス文学を専攻。大学院に進み、仏語圏である西アフリカの文化研究に突如、転向した。きっかけはアフリカの留学生から薦められた1冊の本。セネガルの作家で映画監督のセンベーヌ・ウスマンの世界に引き込まれ、作家研究をライフワークに。44歳の時、セネガルの日本大使館で文化広報官として勤務した際にはついに本人に面会が叶い、以後彼が亡くなるまで交流は続いた。「人懐っこい人柄で、自分に厳しい人だった。色々なことを教えてもらった」

 ○…大学で教授として留学生と接した経験から、文化的背景からくる価値観の相違がマイナスに働いてしまうことが多いと感じている。外国人の生活支援には「いかに価値観や環境の違いを埋めてあげられるか」が大切。そのためにも、協会主催の日本語教室や外国につながる児童や生徒の学習支援を充実させたいと意気込む。

 ○…座右の銘は『桜梅桃李』。「国籍、民族、言語、文化習慣、肌の色などを問わず、一人ひとりが自分らしく、個性を活かす」という意味を込めた。これまでの経験から、国際的な人間関係は「マイナスに考えないことが大事」と言い切る。「誰かといい関係を築きたければ、いい所をほめることから始まる。相手を信頼することが大事」

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