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公開日:2025.07.17

高尾地区に自動運転バス
通年運行目指し実証実験

  • 自動運転バスの運行車両イメージ=市提供

  • バスの運行ルート

 高尾駅北口周辺で8月23日(土)から31日(日)まで、都が運転手搭乗型の「レベル2」による自動運転バスの実験運行を実施する。これを受けて八王子市と西東京バス株式会社(明神町・高木保代表取締役社長)は7月9日、この実験結果をもとに12月から通年運行、26年度末には特定の条件下で運転手が不要な「レベル4」への移行を目指すと発表した。自動運転バスの通年運行は東京26市で初めて。

 自動運転バスが運行するのは、高尾駅北口から高尾台住宅までを往復する片道2・6Kmのルート。これまでも通常の路線バスが運行しており、沿線住民の生活の足になっていた。運行する車両は国土交通省の補助金を活用して購入するEV(電気自動車)で、最高速度は時速40Km。通常のバスで片道9分の区間を、11〜15分程度で運行する予定。客席数は14席(8月は12席)で乗車は着席のみ。着席定員を超えている場合は乗車できない。8月の実験運行は乗車無料。

 この区間が選ばれた理由について同社は「レベル4の自動運転バスを実現するためには、多くの課題を解決していく必要があると認識している」とし、利用者が沿線住民など限定的で課題を共有しやすいことや歩車分離などの道路環境、1台のバスで運行できる時間帯があることなどを挙げた。

運転手不足に一手

 バス運転手の高齢化に伴う担い手不足が進む一方で、市内には公共交通サービスなしでは住民の移動手段が確保できず、生活に支障が出る地域も少なくない。市は地域公共交通の維持・確保の観点から今年6月に同社と「自動運転社会実装推進事業コンソーシアム」を締結し、国交省に地域公共交通確保維持改善事業費補助金の交付申請をしていた。このほど交付が決定したことから、9日に国や警視庁などと「レベル4モビリティ・地域コミッティ」を立ち上げ、市内での自動運転バスの実装に向けた取り組みをスタートさせた。

 発表に際し高木社長は「乗務員不足が進んでおり、すぐにでもチャレンジして将来への種まきをする必要があった。実証実験を通し、多摩地域でいち早くレベル4運行を目指す」と抱負を述べた。

 同社は「八王子を含む西多摩地域では、駅と駅を結ぶ路線バスはほとんどなく、駅から住宅地の行き止まりまでを結んでいる路線が多い。公共交通を維持していくためには自動運転バスが担う区間とバス運転手が運行する区間に分けて検討していく必要がある」とし、「そうした課題解決のためにも実証実験に参画していきたい」と語った。

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