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八王子 人物風土記

公開日:2025.10.30

グッドデザイン賞を受賞した「銀の声」事業を考案した市シルバー人材センター職員の
野母(のも) 裕和さん
並木町在勤 39歳

高齢者に寄り添う戦略家

 ○…「ホッとした。これでより多くの人に知ってもらえる」。グッドデザイン受賞の瞬間は事業の知名度アップに思いを馳せた。今年1月、高齢者対象の製品モニターやアンケート調査などの仕事をマッチングする市シルバー人材センターの独自事業「銀の声」を立ち上げた。きっかけは耳が聞こえにくい人を集めてほしいという企業からの依頼。「高齢者であること自体に価値が生まれるのでは」と閃いた。

 ○…アイデアを練り上げたのは、八王子市が実施した「八王子未来共創プロジェクト研究」を受講したとき。新規事業を構築する人材を育成するプログラムで、一般参加者として応募し80人の中から、研究生15人に選ばれた。「授業は毎回すごく楽しかった。普段関わらない人たちと会えた」。持ち前の社交性と相まって人脈が広がっていくのを実感している。

 ○…並木町生まれ、めじろ台育ち。法政大学で合唱団サークルに所属し、当時200人ほどの団員をまとめる責任者を務め、2年留年するほどのめりこんだ。就職は大手電鉄系のグループ会社に入社し約3年間、リゾート会員権の販売営業に携わった。転勤の多さに「地元で働きたい」と同センターに転職し、転機が訪れたのは6年前。厳しい上司と関わる中で「自分だけのビジネススキルを手に入れたい」と成長への意欲が高まりプログラムへ応募した。

 ○…サウナ好きで、多い時には週2〜3回通う。「スマホを持ち込めないサウナはデジタルデトックスの場。アイデアや人生の方向性と向き合える」。明るい雰囲気の戦略家で”センターの人っぽくない”風貌も事業をアピールする作戦の一つだ。「高齢者を良く知っているという武器を活かして、たくさんのことに挑戦していきたい」

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