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多摩 人物風土記

公開日:2015.06.25

今年創業40周年を迎えた日本アニメーション(株)本社スタジオで制作部長を務める
田中 伸明さん
日野市在住 48歳

アニメで夢と希望を

 ○…『フランダースの犬』『あらいぐまラスカル』といった世界的評価の高い名作の数々。それらの作品を毎週日曜の夜「世界名作劇場」として長年にわたりお茶の間に届けてきた日本アニメーション(株)。今年創業40周年を迎えた同社で、制作部長として制作現場の屋台骨を支えてきた。アニメ技術が年々進歩していく中で変わらないものに”作品の力”を挙げる。「アニメには『夢』と『希望』を伝える力があります。それをどう伝えるか。創業以来その方針は変わらずにやってきました」と作品づくりにかける思いを語る。

 ○…世界名作劇場を毎週楽しみにしていたという少年時代。同社にも籍を置いていた宮崎駿氏が初めて監督を務めた『未来少年コナン』にも感銘を受けた。それから映像、CM、アニメ制作への憧憬を抱き、同社の門を叩いた。入社後すぐに世界名作劇場の担当となり、各部門をつなげる制作進行を任された。「仕事は見て覚えるもの」という厳しい現場で、職人肌の先輩たちとの調整役を担い、作品を仕上げていく。「自分が見ていた番組を手掛けているというのは不思議な感覚でしたね」と振り返る。

 ○…それから25年。手掛けてきた作品一つひとつに思い入れがある。そのひとつ『ちびまる子ちゃん』は今年25周年を迎え、プロデューサーとして作品の総指揮を執る。「国民的アニメに携われて嬉しい。世代が変わっても楽しみにしてもらっている番組ですから」。番組終了後に視聴者から寄せられる葉書や似顔絵などが日々の活力だ。

 ○…子どもの娯楽が多様化し、TV離れが叫ばれて久しい昨今。だからこそ、自分が幼い頃に観て、抱いた夢や希望を作品を通じて今の子どもたちに届けたいと願う。「大人になった時に心に残ったり、人生の一部分や成長の手助けになる作品を作っていきたいですね」。アニメに掛ける思いを胸に、これからも作品を作り続けていく。

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