農業と太陽光発電事業を両立する「ソーラーシェアリング」に挑む 山川 勇一郎さん 桜ヶ丘在住 45歳
高い熱量、周囲に伝播
○…農業を持続可能で誇りのもてる仕事に。そんな思いをもって3年前に参入。落合にある地域エネルギーに携わる会社の社長。知人に紹介してもらった多摩から1時間もかからない相模原市の遊休農地を見て「何かできないかな」と好奇心がわいた。耳にしたことのある「ソーラーシェアリング」であれば、発電により収益を得ながら、農業ができる。意義あることがやりたい、が身体を動かした。
○…多摩市内の再生可能エネルギー活用の推進にあたってきた。屋根に太陽光パネルを設置しエネルギーを集め、施設や住宅で活用する。行政や民間企業らと組んで進めてきた事業は今年9年目。きっかけは東日本大震災だった。普段何気なく使っていた電気コンセントの先がどうなっていたのかを震災により知ることに。「将来、子どもたちが安全に暮らせるようにしたい」。その思い1つだった。
○…熱さが売りだ。ファッションに気をかけ、論理的に話す姿はクレバーなビジネスマン。だが、本来の姿は自称、不器用。才能ではなく、練習量が物をいうタックルの技術を極めた高校時代のラグビーや、人のためにと地域活動に力を尽くす祖父や父親の姿を見続けたことが今の自分をつくっていると話す。「初対面の方にはスマートと思われがち。でも、泥臭い方だと思います」
○…新たに農業法人を立ち上げ挑む相模原の「ソーラーシェアリング」事業は来春、本格始動する。発電で得たエネルギーを活用して50種類のベリーを生育。観光農園として来場者を見込む。「地域の活性化にもつながれば。協力者がどんどん増えていくんですよね」。その熱量に人は引きつけられ、共に明るさを増す。成功への手ごたえはあり、だ。
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