戻る

多摩 人物風土記

公開日:2021.07.08

サイクリストに呼びかけ、桜ヶ丘の「いろは坂」で清掃活動にあたる
中山 沢さん
桜ヶ丘在住 45歳

感謝の心で「理解」生み出す

 ○…始まりは5年前。ロードバイクにはまり、レースにも出場するようになっていた時だ。自宅に近い桜ヶ丘の「いろは坂」で練習していると白い目を向けられるように。「あぶないと思われていたんでしょうね」。そこで始めたのが坂道の清掃だった。一人で取り組み出すと活動が口コミで広がり、多くのサイクリストが加わっていった。「感謝の気持ちで。今では地域から頑張れと声をかけられます」

 ○…最近、工作機械を取り扱う会社に転職したばかり。特許出願の専門家として日々、書類と向き合う毎日を送る。息抜きにと始めたロードバイクはそんなデスクワークのストレスを発散させるものとして現在では欠かせないものに。「人ってバランスが大切」と頭を使ったら体を動かさなければと毎日乗っているという。無心になれるその時は何気ない日々の尊さに感謝する時でもある。

 ○…幼い頃はクラスでも目立たない子どもだった。不器用で人付き合いが苦手。ただ徐々に現在のように仲間を引っ張る力を身に付けられたのは元来の我慢強さのため。学生時代は陸上の長距離競技、今は自転車の100キロレースに出場するなど「忍耐」は得意分野。失敗を繰り返しながらも逃げずに改善を繰り返してきたことが人としての魅力を高めてくれた、と。「人は変われるんですよね」

 ○…自転車乗りとしてもうすぐ、胸鳴るレースが近づいている。多摩市内もコースになっている東京五輪の自転車ロードレースだ。2年前の「いろは清掃」を東京2020応援プログラムとして承認してもらうなど、仲間と楽しみにしてきた。「これを機会にサイクリストの公道清掃が広まってくれれば」。桜ケ丘の坂から世界へと伝えたい思いだ。

    ピックアップ

    すべて見る

    意見広告・議会報告

    すべて見る

    多摩 人物風土記の新着記事

    多摩 人物風土記の記事を検索

    コラム

    コラム一覧

    求人特集

    • LINE
    • X
    • Facebook
    • youtube
    • RSS