多摩市の50周年記念事業として上映される映画「10年後の君へ」の監督を務めた 榊 祐人さん 貝取在住 37歳
出会いもとに作品づくり
○…脚本や編集も自分で。人と人のつながりを描いた。先日行われた試写会には日頃から映画製作を支援してくれる人たちが集まり、なかには作品に出演してくれた市民の姿も。恥ずかしそうに自分の登場シーンを鑑賞する人たち。そんな姿を眺めるのが楽しかったと振り返る。「皆さんに出会って私の人生変わったなって」。出会いの大切さ――本作で伝えたかったことだ。
○…現在は企業の動画制作などの仕事を受けながら、映画づくりに励む。映像への興味を抱いたのは大学生の時。文学部で映画のシナリオを描く講義を受け、「自分でも脚本を書けるかもと。ひとりで取り組めるのも良かった。当時は引きこもりがちだったんです」と微笑む。7年前に今回同様、多摩市内を舞台にした作品を発表。そこで満足することなく、映画づくりの情熱は増すばかりという。
○…ただ、プロの映画監督への道のりは厳しいのが正直なところだ。「資金はどこから」「マンパワーは」など課題は山積み。そんななか「映画監督 」を支えているのが、地域の人々。市内施設のアルバイトで同僚として出会った「おばちゃん」らが協力者を呼び込んでくれている。「今回の作品が周年事業の一環として上映されることになったのも紹介が重なって。ありがたい限りです」
○…3作目の構想は既にある。昨年依頼を受け、市内の若者たちがおよそ20キロのカメラを背負って街中を撮影した様子を1つの作品にしたいという。これまでと同じく、故郷である多摩を舞台に住民参加型の映画にしたい考え。「作品で街を盛り上げたいという思いもあります。地域を巻き込んでいきたい」。それが流と胸を張る日々は明るい。
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