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多摩 人物風土記

公開日:2021.10.07

多摩市50周年を記念する公演を主宰する「市民劇団TAMA」の代表を務める
横田 まさこさん
川崎市在住 62歳

「自分そのもの」に感謝

 ○…公演は一昨年の7月以来。1984年の設立から毎年開催してきた舞台を昨年は新型コロナの感染拡大を受け開けず、久しぶりの公演が「50周年記念」という冠のつく大舞台になった。主演を務めながら演出も担当。多摩にまつわる昔話をまとめ、街の歩みを振り返りながら、観客をゆかいで不思議な空間へと導いていきたいと考えている。「多くの方に協力して頂いた。感謝の気持ちをもって臨みたい」

 ○…元教員。定年退職するまで多摩を始めとする東京都内の小学校で子どもたちに指導する毎日を送っていた。率いて40年近くなる劇団に入会したのは大学生の時。小中高と続けてきた演劇を「実家のある稲城市近くで」と門を叩いたのが始まりだった。就職や結婚、転勤など日常に変化が起こるなかで素の自分に戻れる場。「劇団は私そのものと言えるところです」と振り返る。

 ○…どちらかと言えばおっとりとした性格。ただ、20代で劇団の代表を任されるなど、いつの間にかリーダー役がまわってくるようになったのは演劇を始めた小学校高学年の時から。舞台で身につけた物おじしない心が元々の「しっかりもの」を際立たせてくれた。「舞台が成長させてくれたと思います。幼い頃は人見知りだったんですよ」

 ○…コロナ禍のなかでの公演。出演者の数を減らし上演時間を短縮させるなど、観客が安心して観覧できるように当日まで試行錯誤が続くが「舞台に立てる」楽しみを抑えきれないでいるのも正直なところ。学校退職後はバレエや歌などを学び始め、生徒の気持ちでチャレンジする日々が活力を与えてくれている。「年を重ねても学ぶのは楽しいです」。生涯いち舞台人。自分を演出することにも抜かりなしだ。

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