今月、多摩市教育委員会の教育長に就いた 千葉 正法さん 町田市在住 57歳
「半歩先」常に見据える
○…教員歴は20年に満たない。都内の中学校で国語教師として生徒たちと接してきたが、30代半ばで多摩地域の教育委員会へ。若くして小中学校や教員らを指導する立場となったが、期待されたのは先を見据えた教育の推進。教員時代、国語の授業にまだ浸透していなかったパソコンを導入したような「斬新さ」を求められてきた。「若い時は生意気と思われていたでしょうね」。苦笑いしながら振り返る。
○…常に半歩先を見据えてきた。将来、国際化が進むと考えれば、外国人とも分かち合えるように子どもたちが自分の言葉で思いを伝えられるように指導。環境や人権などが重視される時代になるとみるや持続可能な社会について学ぶ機会を増やした。一方で、そんな半歩先の取り組みを進めていくことができたのは周囲の協力があってこそと。行動を起こすと「必ず協力者が現れてくれるんです」
○…世田谷区出身。幼いころは落ち着きのないやんちゃ坊主。進学してからも天邪鬼な性格で「正道」とは異なる道を歩んできた。転機は高校3年の時。将来について初めて真剣に考え、先生になるという夢ができた時だ。紆余曲折してきた自分なら、自らのことを上手く表現できない子どもたちの気持ちが分かるのではないか――。子どもたちの声を徹底的に聴くという今も変わらない信念はその時からだ。
○…教育長就任後、見据えるのはより「風通しの良い」学校づくり。保護者や地域から見える環境をつくり、みんなで子どもたちを見守っていきたい考えだ。就任間もない今はやるべきことの多さに戸惑ってもいるが、「視野を広げていかないと。趣味の車いじりは当分お預けですね」。任期3年。これまで通り半歩先を見据えていく。
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