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多摩 人物風土記

公開日:2021.11.04

多摩市50周年の記念ビールづくりに協力した関戸で酒店を経営する
小山 喜明さん
関戸在住 45歳

マイペースで次世代担う

 ○…多くの品ぞろえで評判の酒店を運営する。「記念ビールを」と話が持ち上がった際、真っ先に相談を持ちかけられた。企画した周年行事にあたる実行委員会や長い付き合いの蔵元らと試行錯誤を重ね、選んだのがクセのない誰でも楽しめる味。「毎日でも飲めるものに。このビールを飲みながら多摩のことを振り返ってもらえたら」。180センチ近い身体を屈めてそう話す。

 ○…大正時代から続く店を継いで2年が過ぎた。先代で父親の喜八さんが未だ現場に立っていることから、自身が店を引っ張っているという意識はまだ薄い。店を人気店へと押し上げた父親。跡継ぎとしてプレッシャーを感じることもあるが、「自分は自分」とマイペースで今は学びを重ねる毎日だ。陽気さと共に地道な仕事をいとわない心も父から受け継いでいる。

 ○…元々のお酒好き。勉強として日々、試飲を繰り返すなか晩酌も欠かさない。お酒は1日の「締め」。楽しかった時も、悲しい出来事のあとでも「付き合ってくれる」と。一方でお酒は社員教育の手段にもなっている。共に試飲し知識を身につけさせるとお客さんの前で饒舌になるという。「知っていることはしゃべりたくなりますからね」。フレンドリーな接客。人気店の秘密だ。

 ○…生まれ育った街が50周年を迎えた。ハンドボール選手として活躍した学生時代。推薦で進学し、福井県などで過ごした時に多摩や実家の魅力を再認識することになった。周年に対し、「まだ50年か」が実感。自分たちの若い世代が地域を盛りあげていかなければという思いが芽生え始めている。「まず今回のビールをPRしていくのが私の役割です」。多摩にも「二代目世代」の時代がやってきた。

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