海老名・座間・綾瀬 人物風土記
公開日:2013.04.05
享楽庵陶芸クラブの代表を務める
中村 良一さん
上今泉在住 70歳
自分に厳しく、他人に優しく
○…「はい、どうぞ。私が作った作品です」と目尻にシワを寄せて紅茶を入れたカップを差出す。食器棚からいくつも作品を取り出し、「こんなものもありますよ」と上機嫌に並べる。「自分の手で何かを作りたい」と定年を機に趣味で始めた陶芸。現在はこのとき入会したクラブの代表を務める。「自分の想いが形にできるのが陶芸の最大の魅力。のめりこんで、自分の世界に入れることも良いですね」と渋い声で熱く語る。
○…幼少時からモノ作りに関心を持ち、日曜大工が大好きだった。生まれ育った北海道のキレイな星空を見ようと、望遠鏡を自分で作ったことが思い出のひとつ。「お年玉を集めてレンズだけ買って、ボール紙を筒状にしただけなんだけどね」と笑い声をあげる。就職先に選んだのも電子関係の製造業。外資系の企業だったこともあるせいか、会話の中に英単語が出てくることが印象的。
○…定年後に始めた陶芸で、近所の障がい者施設で教室を開いたことをきっかけに福祉活動にも興味を抱いた。「この体験が障がい者に対してのイメージを変えた」。ある講習会に参加し、100人に1人が障がいを抱える人であることを知った。自分の身近にもいることを知り、市内のボランティア団体へ入会。「思いたったらすぐに行動する方かも。触れ合った人が喜んでもらえれば良いですね」。そうした活動を通じて学んだ傾聴ボランティアの中で、バンドグループを結成。ヴォーカルを務め、高齢者施設などで歌を歌いながら元気を送っている。
○…「年をとっているということを意識して生活するようにしています」。どんな事柄にも、目的意識とそれにあたるプロセスを大事にするような論理的思考の持ち主。「頭も身体も衰えないように努力しないと」と自分に鞭を打ってスポーツクラブへも通う。「迷惑掛けないように、一生懸命やってますよ」と若々しい笑顔を見せた。
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