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海老名・座間・綾瀬 人物風土記

公開日:2013.12.20

12月21日に文化会館でコンサートを開く琴グループ「ひびき」の代表を務める
中山 知子さん
上今泉在住 60歳

”重ねる”ことが大事



 ○…息子が幼少時代に中国に旅行に出掛けた際、「日本人が自国の文化をいかに知らないかを知った」と帰ってきて話したのが頭の片隅に残っていた。日本人として日本の楽器に触れてもらおうとイベントを企画。市内の小学生に夏休みから指導し、今回が発表の舞台となる。「3時間の練習でも子どもたちは集中できることに驚きました。ひとつの思い出になってくれれば」と優しい笑顔を見せる。



 ○…琴を始めたのは小学生のとき。とりわけ琴をやりたかったわけではない。友人が始めたから同じように始めただけだった。ふとしたことで始めたが、中学も高校も辞めることなく続け、音楽大学に入れるほどの腕前になり仕事も音楽関係へ就職。その後も延々と続けると、学びたいという声があがりサークルを立ち上げた。それを聞きつけた人がどんどん会員になっていった。「訳が分からない感じで事が進んでいく。おかげでたくさんの友達ができたわね」。奈良弁の上品な口調でゆったり。



 ○…2010年、遷都1300年の記念の年に故郷の奈良でコンサートを開いた。当時90歳だった大好きな父が生きているうちに、琴を弾いている姿を見せたいと想い企画。会場をおさえるのも厳しい中、まわりの人の協力もあり偶然にも会場が押さえられ、伝統の舞台で思い出を残すことができた。従兄弟からもらったカレンダーの言葉が忘れられないという。「自分が行動すれば、必ず周りが助けてくれる」



 ○…「次世代のために種をまきたい。育つかはわからないけど、今自分ができることをしたいわね」。年を重ねるごとに楽しみが増え続けている。今、分からないことでも後々なら理解できる日がきっと来る。「人生はどうにかなるし、なるようにしかならない。ジタバタするのではなく、できることを積み重ねることが大事です」。広い心ですべてを包み込むような、和やかな雰囲気を漂わす。

 

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