新型コロナウイルスの影響で「海老名」の名を冠したクラフトビールが苦境に立たされている。海老名駅西口の手作りビール醸造所(ブルーパブ)「EBINA BEER」を取材した。
海老名市在住のビール醸造家トーマス・レハクさん(45)は、欧州のチェコから妻と子2人の家族4人で海老名に移住した。妻の平井史香さん(48)とは2005年に結婚し、16年まで首都プラハで暮らしていた。
レハクさんはプラハ国立歌劇場などに所属するチューバ奏者で、演奏のため世界中を旅してきた。日本での滞在では、ピアノ奏者フジコ・ヘミングとのツアーで指揮者を務めるなど、音楽家として第一線で活躍してきた。
奏者として成功する傍ら、趣味でビールを自家醸造していた。チェコでは自家醸造が認められていて「自分が作ったビールをたくさんの人に飲んでもらいたい」と、醸造家になる夢を抱いていた。この転職に3年間、思い悩み一念発起した。
2016年に史香さんの実家がある海老名に家族で移住し、17年に駅前のビルの一角を借りて、店内に醸造設備をもつ(ブルーパブ)「EBINA BEER」をオープンした。
持ち前の職人気質もあり店で出すビールはすべて自家醸造したものでゲストビールは置いていない。本場チェコのピルゼン地方発祥のピルスナーが看板商品で、昨年7月には6種類の瓶詰めビールの販売も始めた。
売り上げは順調で、手狭になった醸造設備を郊外へ移転し、飲食スペースを広げる計画もあった。その矢先の新型コロナウイルスだった-。週末の外出自粛要請で店から客が消え、休業する日が増えた。
史香さんは「厳しいけど仕方がない。コロナには絶対に負けたくない」といい、レハクさんは「家でビールを飲んで耐える」と笑うが、8日の緊急事態宣言でさらに先行きが不透明になった。
海老名市を中心に10店舗の飲食店を展開し、大衆バル「サンドグラス」など7店舗で「エビナビール」を扱う株式会社ライブフードプロデュース(海老名市東柏ケ谷)は「エビナビールは自信を持ってお客様にお出しできる。グループで取り扱いを決めた」と話している。
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