「えびなオレンジオーケストラ」の中心的存在として運営に尽力した 村山 琴美さん 海老名市在勤 33歳
「最幸の笑顔」をつなぐ
○…認知症啓発イベント「オレンジフェス」の中で、オレンジオーケストラの一員としてコンサートを開いた。ステージでウクレレを弾いて童謡を演奏し、観客は歌詞を口ずさんで演奏を楽しんだ。「一体感があって、気持ち良い時間だった」。オーケストラのメンバーは医療や介護関係者、認知症の人やその家族も在籍。「肩書きや世代の垣根を超えて一つの作品を作り上げるようで楽しかった」と5カ月に及んだ練習を振り返る。
○…勤務するビナガーデンズパーチ6階の「介護アレコレ広場」では、健康や介護をテーマとした情報を地域に向けて発信している。認知症予防にも積極的で、地域の高齢者とマージャン卓を囲んだり、一緒に編み物をするうちに趣味の幅も広がった。「興味を持ったらやってみる性格」もあり、ウクレレもその一つ。「音楽は認知症予防に効果的」と技術を磨き、7月からコミュニティセンターで出前サロンを開くまでになった。
○…厚木市出身。大学卒業後に、幼少期からの夢でもあった教職に就き、厚木市内の小学校で5年間教壇に立った。学びと遊びの時間にメリハリをつける指導方針を信条とした。転機となったのは特別支援学級の担任経験で、支援のあり方に思い悩んだ。「一人ひとりに合わせた支援とは何かを考えた」。突き詰めるうちに介護業界へ身を置くことになった。
○…オレンジフェスは「認知症になっても安心して暮らせる街づくり」を合言葉に、官民が連携して今年初めて企画された。認知機能の向上や世代間交流を目的に実施されるオレンジオーケストラは「一歩目を踏み出したばかり」と現在地を示し、「多くの人と関わり『最幸』の笑顔の輪を広げたい」と予防と啓発にまい進する。
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