「〇月〇日号の人物風土記で取り上げられている人の、名前の読み方を教えてほしい」―。ある日編集室にかかってきた1本の電話。回答後に用途を尋ねると、「視覚障がい者のための録音ボランティアとして活動している」とのこと。厚木市録音赤十字奉仕団・あひるの会を取材した。
同会の創立は1974年4月。市保健福祉センター4階のボランティアセンターを拠点に、広報あつぎ(1日・15日発行号)や市議会だより、タウン誌などの5グループに分かれて録音活動を行うほか、読者(視覚障がい者)の希望の書籍を朗読するプライベートリーディングにも対応している。
石射順子委員長によると、常時活動しているのは50代〜80代の52人。石射さん自身の、「退職後に社会とつながるため」という理由をはじめ、入団理由はさまざまだ。団員は隔年で募集しており、20時間ずつの基礎講座と応用講座を経て、偶数年度に新団員が誕生する。
石射さんは2012年に入団。小学校の教員をしていた時には気づかなかったが、入団後、生まれ故郷の沖縄訛りをすぐに指摘された。「きれいな声でなくてもいい、はっきりと正確で聞きやすいことが大切」。団員同士、互いの朗読に対する指摘は厳しい。けれどそれはすべて「相手があって届けるものだから。いい加減にしてはいけない」という思いゆえ。仲間から指摘を受けた時には「ごめん、ではなくありがとうって言うようにしてるんです」と石射さんは語る。
活動期間約40年のベテラン、杉崎洋子さんは「目読と音読は全く異なるもの。会心の出来だったことなんてほぼないんです。まず漢字の意味を正しく理解することから始まるので、新しく入ってくる人には”辞書と仲良くしてね”って伝えます」と振り返る。15日号の広報あつぎの場合、事前に原稿を入手後、読みあわせと録音を経て、発行日の15日か翌日には読者の手元に届くというタイムリーさだ。
現在あひるの会の読者は、厚木市内在住者を中心に154人(2018年10月時点)。「口伝てで広がってはいるが、気軽に利用してほしい」と石射さんは呼びかける。11月23日(金・祝)にはアミューあつぎで、読者と団員の交流会が開催される。
CDを聴くには専用のポータブルレコーダー「プレクストーク」が必要。厚木市では購入希望時、小学生以上かつ視覚障害者2級以上の人を対象に、機器の機能別に3万5千円または8万5千円の補助を行っている。
あひるの会のサービスを受けたい場合は石射委員長【電話】046・224・5213または市障がい福祉課【電話】046・225・2221へ問合せを。
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