厚木市が浸水対策として整備を進めている、あさひ公園地下の雨水貯留施設が8月末に完成を迎える。運用開始は9月以降の予定で、その後、あさひ公園の整備にも着手。来年3月の完成をめざす。
1時間65mmに対応
厚木市では、2013年に1時間あたり65mmの雨が降り、本厚木駅周辺を中心に床上、床下浸水などの被害が発生。ゲリラ豪雨などによる浸水被害を軽減させるため、市は17年5月から対策工事を進めてきた。
今回の計画は、本厚木駅の南側(あさひ公園/旭町)と北側(あつぎ中央公園周辺)の地下にそれぞれ貯留施設を整備するというもの。現在の市の下水道施設は、昭和40年代に整備され、対応できる雨水量は1時間に40mm。2つの施設の整備が完了すると、同65mmの雨が降った場合でも、バスや自動車の通行不可の目安となる浸水深さ約10cm以内にできるという。
プール40杯分
市下水道施設課によると、あさひ公園地下の貯留施設の工事費は約31億円。南北に27m、東西に43m、深さ25mで、厚木市役所の本庁舎とほぼ同等のサイズとなる。容量は約1万4800㎥で、小学校にある25mプール約40杯に相当する。工事は、鉄筋コンクリート製の本体を構築しながら沈下させていくニューマチックケーソン工法を採用。地下約1・5mの深さまで沈下させる。
完成後は、本厚木駅の真下を通る排水管の水位が高くなると、貯留施設の南側に接続している直径2mの導水管を経由して貯留施設に雨水を取り込む。貯留した雨水は、晴天時にポンプでくみ上げ排水管へ戻される。
今年度中に公園を整備
貯留施設の工事完了後には、あさひ公園のリニューアル工事が始まる。新しくなる公園の広さは4371平方メートル。複合遊具、健康遊具などが新設されるという。市公園緑地課では、「貯留施設の工事を受けてになるが、今年度中に供用開始をめざしたい」と話している。
なお、あつぎ中央公園周辺の地下では、トンネルを掘り貯水管で雨水を貯留する。大きさは管径2・4m、長さ1130m。容量は約5100㎥でプール約14杯分になる。今年度中に工事に着手する予定で、22年度の完成を見込んでいる。
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