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厚木・愛川・清川 コラム

公開日:2021.12.03

The Interview
談合を無くした男「波乱万丈な人生」
大成建設株式会社 特別顧問 葉山莞児氏

  • 【略歴】1937生まれ。厚木市立清水小学校・睦合中学校・県立厚木高等学校・東京大学工学部土木学科卒。1960年大成建設(株)入社、2001年代表取締役社長に就任。会長、相談役を経て、現在は同社特別顧問。

 日本のスーパーゼネコンの一つに数えられる大成建設株式会社(本社・東京都新宿区)。代表取締役社長、会長、相談役を経て、現在同社の特別顧問を務める葉山莞児氏(84)は厚木に縁の深い人物だ。市内を訪れた同氏に話を聞いた。

*  *  *

 終戦を経て満州から引き揚げ。農家の仕事を手伝いながら、市内小中学校、厚木高校を卒業し、東京大学工学部土木学科へ。入ってみて「自分は学者には向かないと思った」と笑う。早々に学問の道ではなく「社会に出るための良い出会い、幅広い付き合い」を求めて、柔道部へ。「最初は会社名もよく知らなかった」と大成建設への就職も同輩の勧めで決めたのだとか。

 入社後は、新幹線のトンネル工事など現場を回り、営業職も経験。仕事に打ち込み、全国を飛び回り、2001年に代表 取締役社長に就任した。

 身近なところでは、横浜ベイブリッジや横浜ランドマークタワー、東京湾アクアラインなどを手掛ける同社。思い出を聞くと、「私は土木畑だから、普通は分からないトンネル内部をはじめ、橋であっても手掛けたのは海の中。『見えるけど見えない仕事』をやってきた」と笑顔で話した。

 同氏と言えば、2005年に大手ゼネコン5社で行われた「談合決別宣言」の立役者の一人。当時は日本土木工業協会の会長を務め、「建設業は国民の生命・財産を守り、安全な生活をするための仕事の一つだと思っています。談合に業界がマヒしていた。ここで止めないと建設業界がダメになると思った」と振り返る。

 また大成建設内でも、3Kと揶揄される建設業のイメージ払拭のために「100万人の現場見学会」を実施するなど、企業理解へ向けた取り組みを行ってきたという。

 特別顧問として一線を退いた現在、趣味と過ごし「今が一番楽しいよ」と笑顔。「謙虚さと前向きさ、そしてバランスが大事」と若者にエールを送った。

経営者向け講演会

 県央地域11市町村の経営者が集う「県央経営者会」(大泉政治会長)では、葉山莞児氏を招いた、「経営者向け講演会」を12月20日(月)、レンブラントホテル厚木で開催する。時間は午後6時半から8時まで。県央地域の経営者で講演会への参加希望者は、同会事務局(【電話】046・296・7010)に電話で申し込み。月・水・金曜日の午前10時〜午後4時。12月10日(金)締切。

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