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厚木・愛川・清川 コラム

公開日:2022.08.05

思い出の夏

 夏と言えば甲子園であるが、高校演劇の全国大会も半世紀以上八月に開催されている。私が厚木高校演劇部を率いて全国大会に出場したのが四十三年前。開催地は大分であった。野球と違って女子校も参加する演劇部のコンクールは、実は当時から甲子園よりも狭き門であった。地区予選が前年の秋にスタートして県大会、ブロック大会へと一年かけて進んでゆく。途中、年度をまたぐので、卒業した部員が全国大会に出場できなくなると言う問題があり、度々物議を醸している。私の場合は二年生の時に作った作品で勝ち上がったので三年の夏に参加できた。この大会で今も扉座座員である俳優の岡森諦、六角精児らと名を上げたことが今に繋がっている。

 もっとも今でこそ優秀校の舞台がNHKで中継されるほど注目を浴びるようになったが、当時、高校演劇は極めてマイナーなもので、世間的な関心は無に等しかった。厚木高校の慣例で、もし全国大会で優勝したら本厚木駅から高校まで提灯行列をすることになっていると聞かされて、心の底から辞めて欲しいと思ったものだ。結果として上演の規定時間をオーバーするという初歩的なミスで、優勝を取り逃し行列は実現しなかったが、それはそれで高校演劇史の伝説となっている。

 今年は東京開催だそうだ。とは言え、この悲惨なコロナの状況下である。たった一度の夏、どうか無事に開催されて欲しいと、心から願う。

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