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厚木・愛川・清川 政治

公開日:2023.03.10

愛甲郡
地域の声 埋没に不安も
合区後初の県議選

 任期満了に伴う神奈川県議会議員選挙が3月31日告示、4月9日投開票で実施される。厚木市と愛甲郡の選挙区が強制合区されてから初の県議選で、厚木市・愛川町・清川村選挙区(定数3)として行われる。独立した選挙区だった愛甲郡が厚木市と合区になったことで、愛川町・清川村からは「地元の声が届きにくくなるのでは」との声もあがる。

定数は1減

 公職選挙法では、県議選の選挙区について、区内の人口が県内人口を議員定数(105)で割った「議員一人当たりの人口」の半数に達しない場合、隣接する選挙区とあわせて1選挙区を設けると定められている。

 愛甲郡は、2020年の国勢調査の結果、選挙区再編の対象となり、県議会で協議が行われた。過去に厚木市と愛甲郡が一つの選挙区だった歴史や、住民の生活圏などから厚木市と合区とし、定数については厚木市が3、愛甲郡は1だったが、合区後は1減の3となった。

 3月1日には、厚木市役所で県議選の立候補予定者へ向けた説明会が開かれ、4陣営が参加。定数以上のため投票が行われる見通しで、事実上の選挙戦に突入した。

 3月1日現在の厚木市の有権者数は18万6056人、愛甲郡の有権者数は3万4386人と、差は約5・4倍。人口規模の違いから、愛甲郡では「数字で見ると、愛甲郡からの議員選出が難しくなる」と、合区と定数減の選挙戦への影響を不安視する声がある。

 合区が決定する前の2021年12月には、小野澤豊町長と岩澤吉美村長が連名で「地域代表を確保する必要性」などを訴え、県議会議長に要望書を提出していた。しかし、合区の流れは止められなかった。

 新たな選挙区で行われる県議選について、本紙の取材に小野澤町長は「時代が速いスピードで大きく変わり、住民ニーズも複雑多様化するなか、議員の活動範囲はこれまで以上に拡大する。住民の声をしっかりと受け止め、強い信念で県政に届けていただくことを願う」とし、岩澤村長は「水源地域などの役割を持つ郡部の住民の声を従来どおり県議会に届け、県政に反映していただきたい」と話す。

 地元の受け止めは複雑だ。「決まったことなので仕方がない」と受け入れる声がある一方で、「独立した選挙区で地元選出の議員が声を届けてくれる安心感があったが、不透明になったことが不安」と、戸惑いも聞こえる。

国政と県政で異なる選挙区

 愛甲郡については、県議選だけでなく、次回の衆議院選挙でも区割りが変更される。小選挙区の「1票の格差」是正や「市町村の分割」を解消するための措置で、昨年11月に改定公職選挙法が成立。愛甲郡は相模原市緑区・中央区とともに新たな14区となった。地方自治の重要性が説かれるなか、人口減少の加速で揺れる選挙区の今後に、注目が集まる。

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