厚木・愛川・清川 文化
公開日:2023.06.30
燃料費高騰 地元工芸にも
今こそ職人技発信
アミューあつぎで7月5日(水)からガラス工芸品の展示が行われる。皿や小鉢、花器やペーパーウェイトなど、見ていて飽きない個性的な品が並ぶ。
今回の展示会を主催するのは、妻田北のマックスバリュ近くにある「厚木グラススタジオ」。かつて厚木市にあった洋食器メーカー・ノリタケの工場閉鎖後に、働いていた職人が立ち上げたのが始まり。吹きガラス工房では県内でも最大級の規模になる。ここは作家たちが自分の作品を生み出す場であり、作家たちが講師として後進に教える場。しかし県内で吹きガラスの工房は減りつつある。大きな要因は、上昇する光熱費だ。
工房によると、この4年で燃料費は月額で40万円代から90万円ほどに倍増した。溶けたガラスで形作る炉(=写真上)は炎を消せるが、1400度でガラスを溶かす溶解炉や、ガラスの熱をさます徐冷炉は24時間熱を保つ必要があり、電気代やガス代は削れない。
「大変ですが、考え方は変わった」と関係者は語る。最も力を入れていることは大量生産では生み出せない質の違い、魅力をさらに深く知ってもらうこと。工房の壁には県内外の作品展情報が貼られ、作家たちは外に発信を強めている。その意味でもアミューでの展示会は年1回だけ、地元ファンのすそ野を広げる貴重な機会だ。16回目の開幕に向け、工房では職人たちが無言で灼熱の炉に向かい続けている。
会場はアミューあつぎのギャラリー1で、7月11日(火)まで。時間は午前10時〜午後6時。初日は午後1時〜、最終日は午後4時まで。詳しくは同スタジオ【電話】046・297・5700へ。
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