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厚木・愛川・清川 コラム

公開日:2023.07.07

奇妙の花道

 六角精児と久しぶりに芝居をやります。六角は劇団扉座の旗揚げメンバーにして、今も劇団員であります。しかし近年、他方面の活動が忙しすぎて劇団公演に参加する余裕はなく、私もメディア等でその姿を見るばかりでした。

 町中華で過ごしている時に、店のテレビでふいに鉄道に乗って酒を呑むメガネ男を見かけたりすると、改めて、俺はおかしな男と出会ったものだと奇妙な運命を噛み締めます。

 今回も劇団以外での再会です。場所は東京・浜町の明治座、演目は「隠し砦の三悪人」です。日本人なら知らぬ人はない名匠・黒澤明監督の傑作時代劇映画の初舞台化です。私は舞台版の脚本・演出を担当し、六角は往年の名バイプレイヤー・千秋実の演じた農民・太平を、又平役の風間俊介さんとコンビを組んで演じます。世界のミフネこと三船敏郎さんの演じた豪傑・真壁六郎太役は上川隆也さん、雪姫を櫻坂46の小林由衣さんという明治座らしい派手なキャスティングです。

 私たちは厚木高校での部活から演劇人生が始まっていますが、その部員と花道のある大劇場で仕事をするというのは更に奇妙な感覚です。時を遡り、あの頃の私たちにそれを告げたら、何と言うでしょうか。40数年前にも明治座は娯楽の殿堂として演劇界に君臨していました。でも厚木の高校生にはピンと来なくて「妙なこと言う人だな」と思ったことでしょう。7月28日(金)初日です。

『隠し砦の三悪人』/闘え!逃げろ!守り抜け!荒武者と姫と百姓二人、決死の敵陣突破。明治座公演は8月13日(日)まで。

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