関東1都7県の中学生硬式野球チーム208チームで競われる「トーマスカップ2011年関東連盟夏季大会」で「神奈川綾瀬リトルシニア」がベスト16に輝いた。この結果はチーム創部史上最高の成績となる。
中学生硬式野球の全国組織「リトルシニア」の、日本選手権に繋がる大会「トーマスカップ」は、チームの3年生にとっては全国に繋がる最後の大会。5月22日から7月10日まで、海老名球場などで開かれている。昨大会は1回戦で敗退、これまでに目立った戦績がなかった「神奈川綾瀬」が関東にその名を響かせた。
208チームがトーナメント方式で競う大会。1回戦で「青梅」(東京)を相手に綾瀬の猛打が炸裂。この試合では代打や代走などで3年生19人全員がフィールドに立った。11対3の圧勝。チームの持ち味「全員野球」が強みを増していった。続く「八千代」(千葉)では悪天候で3時間待つも12対4のコールド勝ちを決めた。
3回戦では下級生や保護者ら総勢100人以上の応援が球場に集まり、強豪「練馬」(東京)相手に何度もピンチをすりぬけ、最終回で勝ち取った1点を守り抜き3対2で勝利。勢いに乗り4回戦の「所沢南」(埼玉)、少ないチャンスを確実に打ち、2対1で接戦をすりぬけ、過去最高のベスト16に進出を果たした。一戦毎に成長していくチームに、スタンド席では涙を流す人もいた。
掴みかけた全国の切符
ベスト8と敗者復活戦の上位5チームの計13チームが全国大会への出場権を手にする同大会。全国大会出場が確実となるベスト8決定戦に、チームの団結は最高潮に達した。千葉県のトップチーム「九十九」相手に先制点を奪い、一時は3対1でリード。全国への切符は目と鼻の先にあった。
しかし相手も意地をみせ、終盤6回には同点に追いつかれ、延長戦で一進一退の攻防が続いたが、9回裏、相手の一打に涙をのみ3対4で惜敗した。
敗者復活戦では、緊張の糸がきれたチームを立て直すことができないまま「世田谷西」に7対0でコールド負け。出野一宣監督は、チームの鍵であるメンバーの団結を取り戻すため、異例の策をとった。練習を中止し、食事や遊びの時間を作り「好きなだけ遊びなさい」。バラバラになりかけたメンバーはもう一度心をひとつにした。しかし、翌日に臨んだ「横浜東金沢」戦では集中力を取り戻せず、地元神奈川の名門チームに12対3で敗れ、選手達の「5週間の夢」が終わりを告げた。
どうしても欲しかった「あと1勝」が掴めなかったが、チームの歴史を塗り替える大躍進に、スタンドからは選手達へ大きな拍手が送られた。出野監督は「3回戦以降は1点差の接戦が続いて、精神力が磨かれていった。選手達が本当に頑張って、ここまで連れてきてくれた」と話す。全力で戦った選手達は敗戦後、すっきりとした表情で帰っていった。チームは「3年生が最後に残す7月末の県大会で頂点を目指していく」と話している。
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