ルートミュージアム
移動を簡便化周遊促進
横須賀市が6社の事業支援

「はとバス史上初」という横須賀市内を発着とする周遊ツアー

　横須賀市は、市内に点在する観光スポットの周遊を促す「よこすかルートミュージアム」の推進を目的に、交通事業者などが手掛ける新メニューの開発やコースの造成を奨励金を用意して後押しする。６つの事業者の企画提案を採択しており、第一弾として「はとバス」「Ｕｂｅｒ　Ｊａｐａｎ」がサービスをスタートさせている。

　２０２１年度から実施しているルートミュージアムは、歴史や文化が息づく市内の主要拠点を「サテライト」に位置づけ、各所をつないで観光客などに巡ってもらう横須賀の新しい楽しみ方の提案。自分の興味関心でオリジナルルートをつくることをウリとしている。今回の取り組みは、交通事業者などと連携することで移動を簡便化し、新しい視点で周遊体験してもらう狙い。採択事業者には今年度、上限５００万円、経費の２分の１の補助を行い、サービスの定着化を促す。

「はとバス」市内発着ツアー

　市内発着の着地型周遊バスツアーを６月24日に開始したはとバスは、定番人気の軍港めぐり、記念艦三笠、浦賀ドック、横須賀美術館をガイドの案内で巡る。通常は都内発着としている横須賀のツアーをあえて市内発着とすることで近隣住民の利用につなげる。料金には乗船料や入館料を含んでおり、補助金の適用で通常の半額程度の４千円で参加できる。ヴェルニー公園付近を発着所に９月10日（日）まで毎日運行する。

　アプリを使ったタクシーの配車サービスを行っているＵｂｅｒは、サテライト間の移動など市内の観光周遊に限って乗車４回まで料金を都度３００円割引く。年内いっぱい実施する。

　エネルギーとモビリティ事業のサンオータスは７月中旬をめどに、シェア型のＥ―ＢＩＫＥを使ったサイクルツーリズムの普及に取り組む。スポーツタイプの電動アシスト自転車で身体を動かしながら中距離移動を楽しめる環境を整備。週末の渋滞緩和にもつなげる。各所にステーションを設置し、20台の機体とラックを用意する。

　軍港めぐり・猿島航路のトライアングルは観音崎を中心とした海上交通ツアーを造成していく。京浜急行バスは中央エリアの観光利便を高める特別乗車券、タクシー事業者で組織する横須賀三浦総合無線組合は観光タクシーの新コースづくりに挑む。いずれも今秋の実施を予定している。