横須賀・三浦 経済
公開日:2025.09.05
蔵から発見、昭和の商慣習
工場と店を往復「通い箱」
蔵付商家を改装して自家製味噌の製造販売を行っている「天然石蔵醸造みそ工房 幸保六兵衛」(横須賀市東浦賀2の2の23)で、1960年代頃に使用されていたと思しき番重(ばんじゅう)と呼ばれる木箱が複数見つかった。店主の幸保節子さんが家屋と蔵の整理をしていた際に発見したという。
1924年創業で100年企業の(株)法塔ベーカリー(久里浜8の30の1)が地域の個人店などに卸売をしていた際に、製造工場と契約店を行き来する”通い箱”として用いていたもの。「当時は市内で200超の小売店にあんパンをはじめとする菓子パンを納めていた。昭和の商慣習を伝える貴重な資料」と同社の森柾人社長。この時代のものは残っておらず、木箱の側面に彫られている屋号に歴史の重みを感じるという。
幸保さんは今回をきっかけに店舗で木箱を用いて法塔ベーカリーのパンの販売を行う。森社長もここの味噌を用いた新商品の開発に着手する。木箱がつないだ縁で新しいビジネスが展開されようとしている。
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