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横須賀・三浦 スポーツ

公開日:2025.11.07

ANAウインドサーフィンワールドカップ 横須賀・三浦大会
11.13Thu―11.17Mon 津久井浜海岸 Tsukuihama beach

  • スラロームレースの見どころであるマーク回航

  • 開発者で競技者の「二刀流」にこだわる横井さん

 ウインドサーフィンの世界最速を決する「ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会」が11月13日(木)から17日(月)までの5日間、津久井浜海岸(横須賀市)で開かれる。今回で7回目を数える。

 世界を転戦してきたトッププロによるワールドツアーの最終戦。2025年の年間王者をかけて白熱のレースが展開される。迎え撃つ格好の日本人選手陣は、地の利を生かしてどこまで食い下がれるかが見もの。同海岸をホームゲレンデとする複数の選手も出場を決めており、活躍に期待がかかる。海上観覧船の運航(有料)などもあり、迫力のマーク回航シーンなどを間近に見ることができる。会場では全国物産展やフランスの雰囲気を味わえるマルシェ、海辺のステージライブなども楽しめる。

テック企業社長、W杯に挑む 観戦システム開発の横井さん

同大会では、数年前からGPS機器を用いた観戦システムが導入されている。レース海面は沖合に設置されることが多く、ビーチから選手の一挙一動を把握することは難しい。選手の位置をリアルタイムで取得して会場のモニター画面やスマートフォンで実況をわかりやすく伝える仕組みが大きな役割を果たしている。開発者は横井愼也さん(42)。横須賀市内に本社を置くベンチャー企業「N-Sports tracking Lab 合同会社」の代表でウインド(W)サーフィンのトップアマチュアだ。今回、出場権を獲得してW杯に初参戦する。

 富士通のシステムエンジニアだった。趣味で始めたWサーフィンにハマり、自分のギアに記録媒体を取り付けてデータを取得し、技術向上に役立てていた。セイルを引き込む角度によるスピードの違いや回航時にボードを傾ける適切な角度など、曖昧で定性な感覚を数値化していく独自のアプローチで飛躍的な成長を遂げた。Wサーフィン自体、30代からの挑戦だったが、身体能力の高さも相まって瞬く間にレースの表彰台の常連となった。同じ頃、社内で新ビジネス創出の機運が高まり、スポーツとテクノロジーを組み合わせたシステムの開発担当に。現在の原型となるGPSトラッキングを考案した。広範囲で行われる競技の状況をリアルタイムで可視化し、観戦体験や選手の安全確認に寄与するこの技術をより発展させるために独立起業の道を選び、この分野の第一人者となった。

 現在は、自転車ロードレースやトライアスロンでも運用が広がり、全日本駅伝でもこのシステムが採用された。社会への技術応用も検討されており、「自動運転バスやローカル線の運行状況の可視化などに役立てることができる」と横井さん。多忙な業務に比例して練習時間の確保は難しくなる一方だが、競技者であり続けたいという。「W杯は世界の走りを間近にできる。海上での気づきが、事業の核になる」

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