作曲・編曲家で、AKB48の新曲「Position」を手掛けた 青木 康平さん 城ヶ島在住 30歳
時代を紡ぐ音、追い求め
○…職業、作曲・編曲・ギタリスト。音楽業界に飛び込んで約8年、好機が巡ってきた。舞い込んだ吉報は、国民的アイドルグループAKB48がリリースするCDのカップリング曲への抜擢だった。発売から1週間が過ぎ、ファンからの声が次々に届く。「起用はただただラッキーだった」と謙遜しながらも褒められればやはり嬉しく、糧になる。「今度こそ表題曲を」。次の勝負はもう始まっている。
○…音楽との出会いは14〜15歳の頃。持て余していた時間を埋めたいと、自宅にあったギターを手にしたことがきっかけだった。独学で作曲を始め、高校でバンドを結成。城山の青少年会館では、ひたすら練習に明け暮れた。その後、知識を深めようと音楽専門学校へ進学したが周囲との実力の差に愕然。「現実に叩きのめされた」。満を持して10年には新たな仲間とデビューを果たすも、ヒットに恵まれず苦難ばかり。ようやく肩の力が抜けたのは、この2〜3年の話だ。
○…「今でも不遇な時は続いていると思っている」。それでも腐らずここまで続けてこられたのは、「自分には音楽しかない」という強い思いから。華やかに見える世界だが、実際は寝ずに仕上げた自信作もコンペで負ければ日の目を見ないことなど日常茶飯事。したがって収入も不安定。しかし、何よりも好きな音楽で闘えることの喜びが勝るのだと語る笑顔に充実感があふれていた。
○…少しはにかみながら話した将来の夢は「ミリオンヒット」。著名な作曲家を挙げ「旋律が時代を作る。たとえ自分が死んでも曲は残り、歌い継がれるってすごいこと」と目を輝かせる。その夢を手放しで応援してくれる家族や仲間に感謝は堪えないが、実は舞台役者の双子の兄の活動も励みになっていると明かす。「会えば互いに愚痴ばかりだけど」。異分野ながらともに表現者の道を歩む身近な同志の存在に、謝意とエールを送った。
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