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三浦 人物風土記

公開日:2024.04.26

4月1日付で三浦消防署の署長に就任した
友松 豊さん
横須賀市東浦賀在住 58歳

「命」懸けで救う「命」

 ○…消防人生36年目で総勢57人の職員をまとめるトップの座に就いた。着任してすぐ「災害対応に下を向く時間はない。最善を尽くしてほしい」と訓示した上で「互いに命を預け合う仲。信頼という絆を大切にしたい」と柔和な表情で語る。

 ○…西浦賀で生まれ育ち、中高は卓球に熱中した。専門学校を卒業後、観光ホテルに就職。ある日の帰宅途中に民家が炎上する現場に遭遇し、燃え上がる火柱に果敢に立ち向かっていく消防隊員の勇敢な姿に心を揺り動かされた。「自分の生きる道はこれだ」と会社を退職、22歳で入庁した。半年にわたる消防学校での厳しい訓練に耐え、消防活動に必要な知識・技術・体力を習得した。

 ○…横須賀市南消防署で消防隊、救助隊として災害現場の最前線で活動後、建物の立入検査や消防設備の設置指導など、長きにわたり消防本部で火災予防の分野に携わった。2019年から3年間は三浦消防署の副署長として、災害現場で陣頭指揮をとる総責任者を務めた。台風の影響で、市内のいたるところで住宅損壊や土砂崩れ、樹木がなぎ倒されるなど、自然災害の脅威を目の当たりにした。ひっきりなしに119番が鳴り、猛烈な風雨の中でも助けを求める人のもとへ向かう隊員たちを見て「とにかく無事に帰ってきてほしい」と願いつつ、その背中に誇りも感じた。直近は消防局の予防課長で、もう一度三浦に戻ってきた。

 ○…2人の子どもは社会人となり、今は妻と2人暮らし。釣りと映画鑑賞が息抜きだ。大規模災害や激甚化する風水害、高齢化に伴う救急需要の増大など近年の消防行政を取り巻く環境の変化に触れ、「地元消防団など関係機関との連携をより強固なものにし、市民が安全安心で暮らせるまちにする」と前を向いた。

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