静岡県の女子サッカーユースチーム監督で、競技普及に取り組む 渡邉 亜紀さん 城山町出身 45歳
サッカー愛に一本気
○…静岡県藤枝市にある藤枝順心高校女子サッカー部の下部組織(ユースチーム)の監督を務める。同校は先月の全日本選手権で2大会ぶり4度目の栄冠に輝き、ユース出身選手が優勝の原動力となった。環境に左右され、サッカーに打ち込めず悔しい思いをした自身の経験から、受け皿となる場をつくろうと奔走。後進の育成に力を注ぎ、“サッカー王国・静岡”の躍進を支える。
○…サッカーへの興味は、兄が読むコミック誌に連載されていた「キャプテン翼」との出会いから。運動が好きなこともあって「いざサッカーを」と勇むも競技環境は乏しく、三崎中で女子サッカー同好会に入ったが、男子サッカー部と同じ厳しい練習を課せられた。練習場所や顧問、公式戦がなくても、「ボールを蹴られるだけで嬉しい」。不遇を嘆くより、やりたいことができる喜びが勝(まさ)っていた。
○…高校生で横須賀シーガルズに所属し、主将も務めた。一本気ゆえ、「常にこれが最後の練習と思い、悔いを残すな」と自他を厳しく律した。そのストイックさは当時を知る仲間たちの間で今も語り草になるほど。そうしてチーム力向上をめざすうち、心境に変化があった。「次第に自身がゴールを決めるより、教えた選手が得点する方が嬉しい」。この頃から指導者としての才能の片鱗を見せていた。
○…よりよい指導を追求するなかで、運動と脳トレを組み合わせたトレーニング「ライフキネティック」を知った。脳の活性化で、認知症予防にも効果的とされ、市民講座の講師として呼ばれることも増えた。奇しくも故郷は県内一の高齢化率。「生まれ育った三浦に、大好きなサッカーを通じて出会ったトレーニングで貢献できるなら」と面映ゆそうに話した。
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