矢部ふさおの「花たれ雑記【9】」 インフルエンザにご注意を
1、2月はウイルス感染の代表格であるインフルエンザの流行最盛期です。今年の流行は香港A型とのこと。特に乳幼児やご高齢の方はり患しないよう、日々の手洗いやうがいの励行にお努め下さい。
さて、インフルエンザと言えば09年から10年にかけて新型ウイルス(俗称・豚インフルエンザ)が世界的流行(パンデミック)し、日本でも学級閉鎖や高齢者施設での流行が報じられたのは記憶に新しいところ。今回はこの感染症の脅威について触れようと思います。
インフルエンザは感染力が非常に強く、国内では毎年約1千万人、約10人に1人が感染していると言われます。主に野鳥や家禽、人などの哺乳類が媒介し、流行が始まるわけですが、中でもご注意いただきたいのは「高病原性鳥インフルエンザ」です。このウイルスは他と比べて毒性が非常に強く、り患すると死亡する確率が高いとされます。世界規模で見ても人から人への感染は稀有なようですが、もしもウイルスが変異し、パンデミック状態に陥ると世界中の人々の命が危機に晒されることになります。世界保健機関(WHO)もそうした事態を招かないよう、細心の注意で動向に目を凝らしています。
日本では、家禽に高病原性鳥インフルエンザが発生すると鶏舎の鳥全てを殺処分とし、さらに消毒をすることで感染拡大防止を図っていますが、それだけでは完全とは言えません。昨年11月には東京都や鳥取県で野鳥の糞から強毒性のウイルスが発見されました。東京都について言えば発見されたのは大田区。隣接する神奈川県としても感染防止のため、消毒と伝播する野鳥の捕獲に追われました。
このように、高病原性鳥インフルエンザの脅威は決して対岸の火事ではなく、私たちも常に注意を払わねばなりません。国立感染症研究所などではすでに有効なワクチン製法の開発やパンデミックを想定した研究を進めています。神奈川県には茅ヶ崎市に県衛生研究所がありますが、感染症対策にその知見を活用し、県民の安心のためにさらなる努力をしていただくことを願っています。
矢部房男
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