藤沢市鵠沼神明の宮之前公民館前にあった首塚の碑が老朽化していたため、林石材産業(株)代表取締役の林一郎さんが新しい慰霊碑を寄贈した。先月29日には首塚碑開眼供養式が行われ、近隣住民らが参加した。
以前設置されていた石碑は、明治12年に建てられたもの。文面を読むと、この塚は古くから首塚と呼ばれてきたが、何の塚なのか知る人もなく、知らないままにしておくのは本意ではないと発掘したところ、髑髏(どくろ)2つと脚骨4つが掘り出され、甕(かめ)に入れ葬り碑を立てたと記している。1500年前後の武士と推定されているが、その後も戦禍は絶えず特定しがたい。
宮之前町内会の渡邊信久会長は、「前の石碑はいつ倒れてもおかしくない危険な状態だった。寄贈のお話をいただき、非常にありがたかった」と話した。来賓の新井信行副市長は、「地域への愛着がより一層深まることを期待している」とあいさつした。空乗寺の大橋信明住職による魂入れも行われ、参列した地域住民が線香をあげた。
林さんは、これまでに村岡に平良文の慰霊碑などを寄贈し、今回で4回目。「家にも帰れず家族にも会えないまま戦死した武士がかわいそう。自分も戦争を体験したが、間一髪助かった経験がある。無事に帰ってくることができたのはありがたいこと」と話し、「この道を通るたびに、風化した石碑が気になっていたので、そんな武士と自分の体験が重なり寄贈しようと決めた」と、理由を話した。
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