大トンボ展「大空の覇者」で193種のトンボの写真を監修、展示する自然写真家 尾園 暁(おぞのあきら)さん 辻堂在住 35歳
シャッター切る「トンボ少年」
○…専門はトンボの生態写真。著書に「ネイチャーガイド日本のトンボ(文一総合出版・共著)」や「沖縄のトンボ図鑑(いかだ社・同)」などがある。生命の星・地球博物館で開催中の大トンボ展「大空の覇者」では、日本にいる203種のトンボの内、海外からの流入種を除く193種を紹介する200点のパネルを監修。自身が日本各地で撮影した写真を展示する。「自然を身近に感じるきっかけになれば。『トンボ少年・少女』が出てきてくれたら嬉しい」と「後輩」が現れることを期待する。
○…昆虫との出会いは4歳の時。「家族旅行先の京都でシャクトリムシを見つけて。面白い動きに夢中になった」。その日の内に昆虫図鑑を買ってもらい、ボロボロになるまで毎日ページをめくった。数々の昆虫を採集したが「飛ぶ姿がカッコいいし、目の色彩がキレイ」とすぐにトンボの虜に。しかしトンボは標本にすると色が損なわれてしまう難点があった。20歳で祖父からカメラを譲り受けたことを契機に、ありのままの美しさを切り取る写真にのめりこんでいった。
○…出身は大阪。興味の中心はやはりトンボで、近畿大学、琉球大学大学院でも昆虫を専攻。卒業後は1年ほど日雇い派遣の仕事などをしながら、撮影に日本中を回った。写真の枚数が5万枚を超え、2005年にプロ写真家に。06年には結婚を機に藤沢へ居を移す。足掛け15年で日本国内のトンボ全203種を撮り終えた。「一枚一枚に思い出があります」と懐かしむ。
○…藤沢ではシオカラトンボ、ギンヤンマなどが見られるという。「秋にはアキアカネ。この種類は夏場は高地に避暑してるんです。面白いでしょ」と目を輝かせる。「撮影に満足はないですね。次はこうしたい、がモチベーション」。愛機のオリンパスOM-Dを持って今日もフィールドを飛び回っている。
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