藤沢 人物風土記
公開日:2025.12.19
グリーフを抱える人に向けた朗読会を主催する
廣瀬 純子さん
石川在住 50歳
亡き夫を胸に一歩ずつ
○…「泣いてもいい場所を作りたい」――。大切な存在を失った悲しみに暮れる人に寄り添う「グリーフケア」。約2年前に最愛の夫をがんで亡くすも、来年1月の三回忌を皮切りに、歌詞や物語を朗読し人々の悲しみに心を寄せる「ビブリオセラピー」をスタートさせる。悲痛な中でも、陽気なメロディーに乗せて別れのつらさを歌うジャズの曲の歌詞などに心を重ね、楽になった経験が原点だ。
○…茅ヶ崎市出身。高校卒業後、劇団の研究所で芝居を学んだ。水族館のショーのMCやラジオパーソナリティー、藤沢市民まつりの司会など、「言葉で伝えること」に力を注いできた。湘南拠点のビッグバンドのバンドマスターだった夫とは、約20年前に仕事を通じて知り合い、恋人として長い時間を過ごしたが、治療困難ながんが見つかった。それでも最後まで一緒に過ごすため、そして2人の夢だった「結婚ライブ」を叶えるため自らプロポーズし、2023年8月に入籍。その約4カ月後に旅立った夫を「ライブ葬」で見送った。
○…喪失感から涙が止まらなくなり、夫の好物を過食してしまうなど心身ともに苦しんだ。そんな中、自助グループに参加し、互いに支え合い涙を流すことで少しずつ日常を取り戻していった。「誰かの物語を通じて涙を流す『疑似体験』なら、つらい人の心も少し軽くなるはず」。新たな表現の形を見出すことにつながった。
○…現在は夫が弾いていたバンジョーの練習に打ち込んでいる。また悩んだ時は、指揮者でもあった夫の立派な後ろ姿を思い出す。「胸は張れなくても、背中は丸めない」。悲しみのカバンを持ったまま、凛とした背中で新たな一歩を踏み出す。
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