自然観察手記『蝶っとのぞいて見てごらん』を1月31日に自費出版した 上村 文次(かみむら ぶんじ)さん 片瀬山在住 64歳
蝶から広がる人生の喜び
○…約40年に渡り、47都道府県に加え台湾やインドネシアなど、海外にも足を運んで培った蝶の観察手記を出版した。「図鑑でも専門書でもなく、一般販売もしていない。ただ蝶に親しんできた記録」と、身近な知人を読者として、蝶との出会いを楽しんでほしいと思ってまとめたという。1年を通して蝶の種類や生態を細かく観察し、いつどこでどんな蝶が見られるのかをまとめた「チョウ暦」は自信の出来栄えだ。採取した標本は、約50cm四方のケースに80箱。「200種くらいで、数は5000頭以上はあるのかな」と相好を崩す。蝶のことになると話題は尽きず、少年のように目を輝かせる姿が印象的だ。
○…群馬県榛名町(現高崎市)生まれ。高校卒業まで豊かな自然を満喫しながら育ち、動植物全般が好きな子どもだった。蝶の虜となったのは、都内の教育大学に通っていた頃のこと。「蝶のスペシャリストだった友人に、山のような標本を見せてもらって衝撃を受けた」と振り返る。種類の多さ、性質の多様性、そして何よりも模様の美しさに圧倒された。「純粋に『ああ、綺麗だな』と感激した。その気持ちが、この40年の原点かな」
○…大学卒業後、横浜市の小学校教諭に。余暇を利用して、蝶の観察を続けてきた。片瀬山には約18年前に移り住み、定年退職を機に地域の自然保護ボランティアを始めた。「緑に接するのが喜びで、森の中にいるのが一番楽しい」と目尻を下げ、現在は新林公園のほか、市内外で森林の間伐や清掃活動に精を出す。
○…元教諭の経験を生かし、自然保護のかたわら地域の子どもたちに自然や動植物について教えている。現役の頃からひょうきんな所があり、「『シャレ先生』なんて呼ばれていて。自分の本の題名にも洒落っ気を入れてみたんだよ」と照れ笑い。蝶から学んだ自然の素晴らしさ、大切さを次世代に伝えていくため、羽を休めている暇はない。
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