6月3日、4日に作品展を行う(一社)神奈川県洋菓子協会の会長を務める 渡部 昭さん 片瀬在住 73歳
甘い夢届ける夢追い職人
○…新築したばかりの藤沢商工会館から藤沢の地を盛り上げようと、6年ぶりに藤沢の地に帰ってきたパティシエたちの祭典「Cake Show Kanagawa」。会場には県内のパティシエたちが魂を込めた200点近いケーキや工芸菓子作品がずらりと並ぶ。「優劣はつけづらい」。近年の職人たちの著しい技術向上を喜ぶ一方、審査員としては頭を抱える。
○…山形県庄内地方の出身。中学1年の時、手際よく焼いている街角のどら焼き屋の職人に魅せられた。「人前で技術を見せるのは素晴らしい」。その思いを胸に、中学卒業後は地元の職人の元に丁稚奉公へ。パン、和菓子作りを学び、20歳の時、「一番かっこよく見えた」という洋菓子の道へ進むべく、上京した。「23時に仕事が終われば早かった」という多忙な日々。終業後に朝方まで作品作りに打ち込んだこともある。「毎日が新しいものへの挑戦で飽きない。辞めたいと思ったことは一度もない」と言葉に力がこもる。
○…平塚で職人をしていた27歳のころ、バタークリームが主流だった洋菓子業界でいち早く生クリームを取り入れ、人気職人に。日本洋菓子協会の講師や油脂メーカーの顧問を務める傍ら、43歳で藤沢市内に「シュテルン洋菓子店」をオープンした。藤沢を選んだのは、中学の修学旅行で訪れた江の島の風景が忘れられなかったから。「いつか住んでみたかった」と少年のような笑顔をのぞかせる。
○…会長になり、5年目。約380人の会員をまとめる。「楽しく夢のある仕事なんだから楽しくやらないと」がモットー。役員会の後は自然と”飲みニュケーション”を楽しむ。「そのほうが色んな意見が出る。それがいい」と笑顔。昨年には、市内の優れた技術者に贈られる「藤沢マイスター」にも選ばれた。「職人は夢を持って仕事をしてほしい。そのためには自分も夢がないと」これからも老若男女に甘い夢を届け続ける。
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